スーラ・アッシューラー(Ash-Shura) سُورَة الشورى

スーラ・アッシューラーは、クルアーンの第42章であり、マッカで啓示されました。これは53の節で構成され、相談(シュラ)を通じた決定の重要性、アッラーの導き、審判の日、および信仰の統一性を強調しています。

翻訳: スーラ アッシュ・シュウラー (協議章) سُورَة الشورى

بِسْمِ اللَّهِ الرَّحْمَٰنِ الرَّحِيمِ

慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。

حم ١

ハー・ミーム。 (一)

عسق ٢

アイン・スィーン・カーフ。 (二)

كَذَٰلِكَ يُوحِي إِلَيْكَ وَإِلَى الَّذِينَ مِنْ قَبْلِكَ اللَّهُ الْعَزِيزُ الْحَكِيمُ ٣

このように(主は)あなたに啓示なされる。以前の者たちにも啓示されたように。アッラーは,偉力ならびなく英明であられる。 (三)

لَهُ مَا فِي السَّمَاوَاتِ وَمَا فِي الْأَرْضِ ۖ وَهُوَ الْعَلِيُّ الْعَظِيمُ ٤

天にあり地にある凡てのものは,かれの有である。かれは至高にして至大であられる。 (四)

تَكَادُ السَّمَاوَاتُ يَتَفَطَّرْنَ مِنْ فَوْقِهِنَّ ۚ وَالْمَلَائِكَةُ يُسَبِّحُونَ بِحَمْدِ رَبِّهِمْ وَيَسْتَغْفِرُونَ لِمَنْ فِي الْأَرْضِ ۗ أَلَا إِنَّ اللَّهَ هُوَ الْغَفُورُ الرَّحِيمُ ٥

諸天は,その上の方から,ばらばらに裂けようとしている。そして天使たちは,主を讃えて唱念し,地上のもののために赦しを請い願う。ああ,本当にアッラーこそは,寛容にして慈悲深くあられる。 (五)

وَالَّذِينَ اتَّخَذُوا مِنْ دُونِهِ أَوْلِيَاءَ اللَّهُ حَفِيظٌ عَلَيْهِمْ وَمَا أَنْتَ عَلَيْهِمْ بِوَكِيلٍ ٦

それでもかれの外に,保護者を求める者がおり,アッラーはかれらを監視なされる。だからあなたは,かれらの後見人ではない。 (六)

وَكَذَٰلِكَ أَوْحَيْنَا إِلَيْكَ قُرْآنًا عَرَبِيًّا لِتُنْذِرَ أُمَّ الْقُرَىٰ وَمَنْ حَوْلَهَا وَتُنْذِرَ يَوْمَ الْجَمْعِ لَا رَيْبَ فِيهِ ۚ فَرِيقٌ فِي الْجَنَّةِ وَفَرِيقٌ فِي السَّعِيرِ ٧

このようにアラビア語でクルアーンをあなたに啓示したのは,あなたが諸都市の母と,その周辺の者に警告し,また疑いの余地のない召集の日に就いて,(かれらに)警告を与えるためである。(その日)一団は楽園に,また一団は業火の中に(入ろう)。 (七)

وَلَوْ شَاءَ اللَّهُ لَجَعَلَهُمْ أُمَّةً وَاحِدَةً وَلَٰكِنْ يُدْخِلُ مَنْ يَشَاءُ فِي رَحْمَتِهِ ۚ وَالظَّالِمُونَ مَا لَهُمْ مِنْ وَلِيٍّ وَلَا نَصِيرٍ ٨

もしアッラーが御望・なら,かれらを一つのウンマになされたであろう。だがかれは,御心に適う者を慈悲の中に入らせられる。悪い行いの者には,保護者も援助者もない。 (八)

أَمِ اتَّخَذُوا مِنْ دُونِهِ أَوْلِيَاءَ ۖ فَاللَّهُ هُوَ الْوَلِيُّ وَهُوَ يُحْيِي الْمَوْتَىٰ وَهُوَ عَلَىٰ كُلِّ شَيْءٍ قَدِيرٌ ٩

何とかれらは,かれを差し置いて,守護者を求めるのか。だがアッラーこそ守護者であり,また死んだものに生を授ける方,凡てのことに全能な方である。 (九)

وَمَا اخْتَلَفْتُمْ فِيهِ مِنْ شَيْءٍ فَحُكْمُهُ إِلَى اللَّهِ ۚ ذَٰلِكُمُ اللَّهُ رَبِّي عَلَيْهِ تَوَكَّلْتُ وَإِلَيْهِ أُنِيبُ ١٠

何事によらず,あなたがたに異論があった時,その決定をするのはアッラーである。これが,わたしの主アッラーである。かれに,わたしは御(艇?)りし,かれにわたしは悔悟して帰る。 (十)

فَاطِرُ السَّمَاوَاتِ وَالْأَرْضِ ۚ جَعَلَ لَكُمْ مِنْ أَنْفُسِكُمْ أَزْوَاجًا وَمِنَ الْأَنْعَامِ أَزْوَاجًا ۖ يَذْرَؤُكُمْ فِيهِ ۚ لَيْسَ كَمِثْلِهِ شَيْءٌ ۖ وَهُوَ السَّمِيعُ الْبَصِيرُ ١١

天と地の創造者。かれはあなたがたのために,あなたがたの間から夫婦を,また家畜にも雌雄を創られた。このようにして,あなたがたを繁殖させる。かれに比べられるものは何もない。かれは全聴にして凡てを見透される方である。 (十一)

لَهُ مَقَالِيدُ السَّمَاوَاتِ وَالْأَرْضِ ۖ يَبْسُطُ الرِّزْقَ لِمَنْ يَشَاءُ وَيَقْدِرُ ۚ إِنَّهُ بِكُلِّ شَيْءٍ عَلِيمٌ ١٢

天と地の凡ての鍵は,かれに属する。かれは,御心に適う者に,恵・を広げ,またひき締められる。本当にかれは凡てのことを知り尽される。 (十二)

شَرَعَ لَكُمْ مِنَ الدِّينِ مَا وَصَّىٰ بِهِ نُوحًا وَالَّذِي أَوْحَيْنَا إِلَيْكَ وَمَا وَصَّيْنَا بِهِ إِبْرَاهِيمَ وَمُوسَىٰ وَعِيسَىٰ ۖ أَنْ أَقِيمُوا الدِّينَ وَلَا تَتَفَرَّقُوا فِيهِ ۚ كَبُرَ عَلَى الْمُشْرِكِينَ مَا تَدْعُوهُمْ إِلَيْهِ ۚ اللَّهُ يَجْتَبِي إِلَيْهِ مَنْ يَشَاءُ وَيَهْدِي إِلَيْهِ مَنْ يُنِيبُ ١٣

かれがあなたに定められる教えは,ヌーフに命じられたものと同じものである。われはそれをあなたに啓示し,またそれを,イブラーヒーム,ムーサー,イーサーに対しても(同様に)命じた。「その教えを打ち立て,その間に分派を作ってはならない。」あなたが招くこの教えは,多神教徒にとっては重大事である。アッラーは御心に適う者を御自分のために御選びになり,また梅悟して(主に)帰る者をかれ(の道)に導かれる。 (十三)

وَمَا تَفَرَّقُوا إِلَّا مِنْ بَعْدِ مَا جَاءَهُمُ الْعِلْمُ بَغْيًا بَيْنَهُمْ ۚ وَلَوْلَا كَلِمَةٌ سَبَقَتْ مِنْ رَبِّكَ إِلَىٰ أَجَلٍ مُسَمًّى لَقُضِيَ بَيْنَهُمْ ۚ وَإِنَّ الَّذِينَ أُورِثُوا الْكِتَابَ مِنْ بَعْدِهِمْ لَفِي شَكٍّ مِنْهُ مُرِيبٍ ١٤

知識がかれらに下った後,間もなくかれらの間の嫉妬によって分派が出来た。定められた時に関し,あなたの主からの御言葉がなかったならば,(問題は)かれらの間でとっくに解決されたであろう。だがかれらの後,啓典を継いでいる者たちはそれに就いて(未だに)疑いを抱いている。 (十四)

فَلِذَٰلِكَ فَادْعُ ۖ وَاسْتَقِمْ كَمَا أُمِرْتَ ۖ وَلَا تَتَّبِعْ أَهْوَاءَهُمْ ۖ وَقُلْ آمَنْتُ بِمَا أَنْزَلَ اللَّهُ مِنْ كِتَابٍ ۖ وَأُمِرْتُ لِأَعْدِلَ بَيْنَكُمُ ۖ اللَّهُ رَبُّنَا وَرَبُّكُمْ ۖ لَنَا أَعْمَالُنَا وَلَكُمْ أَعْمَالُكُمْ ۖ لَا حُجَّةَ بَيْنَنَا وَبَيْنَكُمُ ۖ اللَّهُ يَجْمَعُ بَيْنَنَا ۖ وَإِلَيْهِ الْمَصِيرُ ١٥

だからあなたは(人を純正な教えに)招き,命じられたように堅忍不抜であれ。かれらの(虚しい)望・に従ってはならない。そして言ってやるがいい。「わたしはアッラーが下された啓典を信奉する。わたしはあなたがたの間を公正に統治するよう命じられた。アッラーはわたしたちの主であり,あなたがたの主であられる。わたしたちには,わたしたちの行いの報いがあり,またあなたがたには,あなたがたの行いの報いがある。わたしたちとあなたがたとの間に,異論などはないのである。アッラーは,わたしたちを(一緒に)召集されよう。かれこそが(わたしたちの)帰る所なのである。」 (十五)

وَالَّذِينَ يُحَاجُّونَ فِي اللَّهِ مِنْ بَعْدِ مَا اسْتُجِيبَ لَهُ حُجَّتُهُمْ دَاحِضَةٌ عِنْدَ رَبِّهِمْ وَعَلَيْهِمْ غَضَبٌ وَلَهُمْ عَذَابٌ شَدِيدٌ ١٦

この(イスラーム)が(多くの者に)受け入れられた後アッラー(の教え)に就いて云々する者の論議は,主の御許では無益で,そのような(者たち)は御怒りを被り,厳しい懲罰を受けよう。 (十六)

اللَّهُ الَّذِي أَنْزَلَ الْكِتَابَ بِالْحَقِّ وَالْمِيزَانَ ۗ وَمَا يُدْرِيكَ لَعَلَّ السَّاعَةَ قَرِيبٌ ١٧

アッラーこそは,真理の啓典と秤を下された方である。その「時」が近いということを,あなたがたに理解させるものは何であろうか。 (十七)

يَسْتَعْجِلُ بِهَا الَّذِينَ لَا يُؤْمِنُونَ بِهَا ۖ وَالَّذِينَ آمَنُوا مُشْفِقُونَ مِنْهَا وَيَعْلَمُونَ أَنَّهَا الْحَقُّ ۗ أَلَا إِنَّ الَّذِينَ يُمَارُونَ فِي السَّاعَةِ لَفِي ضَلَالٍ بَعِيدٍ ١٨

それ(時)を信じない者はそれを催促するが,信仰する者は,それが真理であることを知っているので,恐れる。本当に時に就いて論議する者は,遠く迷っている者たちである。 (十八)

اللَّهُ لَطِيفٌ بِعِبَادِهِ يَرْزُقُ مَنْ يَشَاءُ ۖ وَهُوَ الْقَوِيُّ الْعَزِيزُ ١٩

アッラーはそのしもべに対して,やさしくあられ,御心に適う者に恵・を与えられる。かれは強大にして偉力ならびなき方である。 (十九)

مَنْ كَانَ يُرِيدُ حَرْثَ الْآخِرَةِ نَزِدْ لَهُ فِي حَرْثِهِ ۖ وَمَنْ كَانَ يُرِيدُ حَرْثَ الدُّنْيَا نُؤْتِهِ مِنْهَا وَمَا لَهُ فِي الْآخِرَةِ مِنْ نَصِيبٍ ٢٠

来世の耕作を願う者にはわれはその収穫を増し,また現世の耕作を願う者には,その望むだけを与えよう。だがその者には,来世での分け前はないのである。 (二十)

أَمْ لَهُمْ شُرَكَاءُ شَرَعُوا لَهُمْ مِنَ الدِّينِ مَا لَمْ يَأْذَنْ بِهِ اللَّهُ ۚ وَلَوْلَا كَلِمَةُ الْفَصْلِ لَقُضِيَ بَيْنَهُمْ ۗ وَإِنَّ الظَّالِمِينَ لَهُمْ عَذَابٌ أَلِيمٌ ٢١

それともかれらに(主の)同位者があって,アッラーが御許しになられない宗教をかれらのために立てたのか。決定的(猶予の)御言葉かなかったならば,かれらのことはとっくに裁かれていた。悪い行いの者は本当に痛ましい懲罰を受けるであろう。 (二十一)

تَرَى الظَّالِمِينَ مُشْفِقِينَ مِمَّا كَسَبُوا وَهُوَ وَاقِعٌ بِهِمْ ۗ وَالَّذِينَ آمَنُوا وَعَمِلُوا الصَّالِحَاتِ فِي رَوْضَاتِ الْجَنَّاتِ ۖ لَهُمْ مَا يَشَاءُونَ عِنْدَ رَبِّهِمْ ۚ ذَٰلِكَ هُوَ الْفَضْلُ الْكَبِيرُ ٢٢

あなたは悪行の者たちが,その行ったこと(の罪)が,自分たちに降りかかると,恐れ戦くのを見るであろう。しかし信仰して善行に動しむ者は,楽園の心地よい緑の野にいて,主の御許から,その望むところのものが得られよう。それこそは,偉大な恩恵である。 (二十二)

ذَٰلِكَ الَّذِي يُبَشِّرُ اللَّهُ عِبَادَهُ الَّذِينَ آمَنُوا وَعَمِلُوا الصَّالِحَاتِ ۗ قُلْ لَا أَسْأَلُكُمْ عَلَيْهِ أَجْرًا إِلَّا الْمَوَدَّةَ فِي الْقُرْبَىٰ ۗ وَمَنْ يَقْتَرِفْ حَسَنَةً نَزِدْ لَهُ فِيهَا حُسْنًا ۚ إِنَّ اللَّهَ غَفُورٌ شَكُورٌ ٢٣

それは信仰して善行に勤しむしもべに対し,アッラーが伝える吉報である。言ってやるがいい。「わたしはそれに対して,何の報酬もあなたがたに求めてはいない。わたしはあなたがたの近親としての情愛だけを求める。それで誰でも,善行をなす者には,それに対しさらに良いものが与えられる。本当にアッラーは,寛容にしてよく感謝される方である。」 (二十三)

أَمْ يَقُولُونَ افْتَرَىٰ عَلَى اللَّهِ كَذِبًا ۖ فَإِنْ يَشَإِ اللَّهُ يَخْتِمْ عَلَىٰ قَلْبِكَ ۗ وَيَمْحُ اللَّهُ الْبَاطِلَ وَيُحِقُّ الْحَقَّ بِكَلِمَاتِهِ ۚ إِنَّهُ عَلِيمٌ بِذَاتِ الصُّدُورِ ٢٤

それともかれらは,「かれ(ムハンマド)はアッラーについて嘘をでっち上げた。」と言うのか。アッラーが御望・ならば,あなたの心を封じることも出来る。またアッラーは,その御言葉によって虚偽を消し,真理を打ち立てることも出来る。本当にかれは胸の中に抱くことを知り尽される。 (二十四)

وَهُوَ الَّذِي يَقْبَلُ التَّوْبَةَ عَنْ عِبَادِهِ وَيَعْفُو عَنِ السَّيِّئَاتِ وَيَعْلَمُ مَا تَفْعَلُونَ ٢٥

かれこそは,しもべたちの悔悟を受け入れ,様々な罪を許し,あなたがたの行うことを知っておられる。 (二十五)

وَيَسْتَجِيبُ الَّذِينَ آمَنُوا وَعَمِلُوا الصَّالِحَاتِ وَيَزِيدُهُمْ مِنْ فَضْلِهِ ۚ وَالْكَافِرُونَ لَهُمْ عَذَابٌ شَدِيدٌ ٢٦

かれは信仰して善行に動しむ者に答えて,恩恵を増やされる。だが不信心な者に対しては,厳しい懲罰を科される。 (二十六)

وَلَوْ بَسَطَ اللَّهُ الرِّزْقَ لِعِبَادِهِ لَبَغَوْا فِي الْأَرْضِ وَلَٰكِنْ يُنَزِّلُ بِقَدَرٍ مَا يَشَاءُ ۚ إِنَّهُ بِعِبَادِهِ خَبِيرٌ بَصِيرٌ ٢٧

もしアッラーが,そのしもべたちに対し過大に恵・を授けるならば,かれらはたちまち不正にはしる。しかし,かれは望むことを,適度に下される。本当にかれはそのしもべたちを熟知し監視なされる方である。 (二十七)

وَهُوَ الَّذِي يُنَزِّلُ الْغَيْثَ مِنْ بَعْدِ مَا قَنَطُوا وَيَنْشُرُ رَحْمَتَهُ ۚ وَهُوَ الْوَلِيُّ الْحَمِيدُ ٢٨

かれこそは(人びとが)絶望した時,雨を降らせ,慈悲を垂れられる方。かれは讃美すべき愛護者であられる。 (二十八)

وَمِنْ آيَاتِهِ خَلْقُ السَّمَاوَاتِ وَالْأَرْضِ وَمَا بَثَّ فِيهِمَا مِنْ دَابَّةٍ ۚ وَهُوَ عَلَىٰ جَمْعِهِمْ إِذَا يَشَاءُ قَدِيرٌ ٢٩

天と地の創造と,その間に(捲?)き散らされた生きとし生ける物は,かれの印の中にある。またかれは,御望・の時に,一斉にかれらを召集なされる権能者である。 (二十九)

وَمَا أَصَابَكُمْ مِنْ مُصِيبَةٍ فَبِمَا كَسَبَتْ أَيْدِيكُمْ وَيَعْفُو عَنْ كَثِيرٍ ٣٠

あなたがたに降りかかるどんな不幸も,あなたがたの手が稼いだものである。それでもかれは,(その)多くを赦される。 (三十)

وَمَا أَنْتُمْ بِمُعْجِزِينَ فِي الْأَرْضِ ۖ وَمَا لَكُمْ مِنْ دُونِ اللَّهِ مِنْ وَلِيٍّ وَلَا نَصِيرٍ ٣١

あなたがたは地上において,かれを挫くことは出来ない。あなたがたには,アッラーの外にどんな愛護者も援助者もないのである。 (三十一)

وَمِنْ آيَاتِهِ الْجَوَارِ فِي الْبَحْرِ كَالْأَعْلَامِ ٣٢

また,かれの印の一つは船で,それはちょうど海の中を進む山のようである。 (三十二)

إِنْ يَشَأْ يُسْكِنِ الرِّيحَ فَيَظْلَلْنَ رَوَاكِدَ عَلَىٰ ظَهْرِهِ ۚ إِنَّ فِي ذَٰلِكَ لَآيَاتٍ لِكُلِّ صَبَّارٍ شَكُورٍ ٣٣

もしかれの御心なら風を静められ,それで(船は)海面に泊ってしまう。本当にこの中には,よく耐え感謝する者への印がある。 (三十三)

أَوْ يُوبِقْهُنَّ بِمَا كَسَبُوا وَيَعْفُ عَنْ كَثِيرٍ ٣٤

またかれは,(人びとが)自ら犯した罪のために,それら(船)を難破させることも出来る。だが(その罪の)多くを許される。 (三十四)

وَيَعْلَمَ الَّذِينَ يُجَادِلُونَ فِي آيَاتِنَا مَا لَهُمْ مِنْ مَحِيصٍ ٣٥

しかし,われの印に就いて論議する者は,免れる場もないことを知るであろう。 (三十五)

فَمَا أُوتِيتُمْ مِنْ شَيْءٍ فَمَتَاعُ الْحَيَاةِ الدُّنْيَا ۖ وَمَا عِنْدَ اللَّهِ خَيْرٌ وَأَبْقَىٰ لِلَّذِينَ آمَنُوا وَعَلَىٰ رَبِّهِمْ يَتَوَكَّلُونَ ٣٦

あなたがたに与えられる凡てのものは,現世の生活における(暫しの)享楽(に過ぎない)。信仰して,主を信頼する者にとっては,アッラーの御許にあるものこそ,もっとも善であり,はるかに永続する。 (三十六)

وَالَّذِينَ يَجْتَنِبُونَ كَبَائِرَ الْإِثْمِ وَالْفَوَاحِشَ وَإِذَا مَا غَضِبُوا هُمْ يَغْفِرُونَ ٣٧

また,大罪や破廉恥な行為を避ける者,怒ってもゆるす者, (三十七)

وَالَّذِينَ اسْتَجَابُوا لِرَبِّهِمْ وَأَقَامُوا الصَّلَاةَ وَأَمْرُهُمْ شُورَىٰ بَيْنَهُمْ وَمِمَّا رَزَقْنَاهُمْ يُنْفِقُونَ ٣٨

また主(の呼びかけ)に答えて礼拝の務めを守る者,栗いに事を相談し合って行う者,われが授けたものから施す者, (三十八)

وَالَّذِينَ إِذَا أَصَابَهُمُ الْبَغْيُ هُمْ يَنْتَصِرُونَ ٣٩

迫害に会った時,助け合い,防衛する者,(にとって,アッラーの御許にあるものこそ,もっとも善であり永続する)。 (三十九)

وَجَزَاءُ سَيِّئَةٍ سَيِّئَةٌ مِثْلُهَا ۖ فَمَنْ عَفَا وَأَصْلَحَ فَأَجْرُهُ عَلَى اللَّهِ ۚ إِنَّهُ لَا يُحِبُّ الظَّالِمِينَ ٤٠

悪に対する報いは,それと同様の悪である。だが寛容して和解する者に対して,アッラーは報酬を下さる。本当にかれは悪い行いの者を御好・になられない。 (四十)

وَلَمَنِ انْتَصَرَ بَعْدَ ظُلْمِهِ فَأُولَٰئِكَ مَا عَلَيْهِمْ مِنْ سَبِيلٍ ٤١

不当なことをされた者が,自ら守って(報復して)も,これらの者に対して罪はない。 (四十一)

إِنَّمَا السَّبِيلُ عَلَى الَّذِينَ يَظْلِمُونَ النَّاسَ وَيَبْغُونَ فِي الْأَرْضِ بِغَيْرِ الْحَقِّ ۚ أُولَٰئِكَ لَهُمْ عَذَابٌ أَلِيمٌ ٤٢

他人に悪を行い,また度を越した復讐を企て地上を騒がす者たち,かれらに対する(アッラーの)罰は痛ましい懲罰があるだけである。 (四十二)

وَلَمَنْ صَبَرَ وَغَفَرَ إِنَّ ذَٰلِكَ لَمِنْ عَزْمِ الْأُمُورِ ٤٣

だが耐え忍んで赦してやること,それこそ(アッラーの決められた)確固たる人の道というもの。 (四十三)

وَمَنْ يُضْلِلِ اللَّهُ فَمَا لَهُ مِنْ وَلِيٍّ مِنْ بَعْدِهِ ۗ وَتَرَى الظَّالِمِينَ لَمَّا رَأَوُا الْعَذَابَ يَقُولُونَ هَلْ إِلَىٰ مَرَدٍّ مِنْ سَبِيلٍ ٤٤

アッラーが迷うに任せた者には,その後擁護者はないのである。あなたがたは悪を行う者が,懲罰を見ると,「何とか引返す道はないでしょうか。」と言うのを見るであろう。 (四十四)

وَتَرَاهُمْ يُعْرَضُونَ عَلَيْهَا خَاشِعِينَ مِنَ الذُّلِّ يَنْظُرُونَ مِنْ طَرْفٍ خَفِيٍّ ۗ وَقَالَ الَّذِينَ آمَنُوا إِنَّ الْخَاسِرِينَ الَّذِينَ خَسِرُوا أَنْفُسَهُمْ وَأَهْلِيهِمْ يَوْمَ الْقِيَامَةِ ۗ أَلَا إِنَّ الظَّالِمِينَ فِي عَذَابٍ مُقِيمٍ ٤٥

あなたがたは,かれらが卑しめられて業火に晒され盗・目で見据えているのを見よう。信仰する者は,「復活の日に,自分自身と追従者を失う者は,本当の損失者です。と言う。ああ,悪を行った者は,本当に永遠の懲罰を受ける。 (四十五)

وَمَا كَانَ لَهُمْ مِنْ أَوْلِيَاءَ يَنْصُرُونَهُمْ مِنْ دُونِ اللَّهِ ۗ وَمَنْ يُضْلِلِ اللَّهُ فَمَا لَهُ مِنْ سَبِيلٍ ٤٦

かれらにはアッラーの外に,助ける守護者はない。アッラーが迷うに任せた者には,(帰る所への)道はないのである。」 (四十六)

اسْتَجِيبُوا لِرَبِّكُمْ مِنْ قَبْلِ أَنْ يَأْتِيَ يَوْمٌ لَا مَرَدَّ لَهُ مِنَ اللَّهِ ۚ مَا لَكُمْ مِنْ مَلْجَإٍ يَوْمَئِذٍ وَمَا لَكُمْ مِنْ نَكِيرٍ ٤٧

避けられない日が,アッラーからあなたがたの許にやって来る前に,あなたがたの主(の呼びかけ)に答えなさい。その日あなたがたには避難所もなく,(自分の罪を)否認する余地もない。 (四十七)

فَإِنْ أَعْرَضُوا فَمَا أَرْسَلْنَاكَ عَلَيْهِمْ حَفِيظًا ۖ إِنْ عَلَيْكَ إِلَّا الْبَلَاغُ ۗ وَإِنَّا إِذَا أَذَقْنَا الْإِنْسَانَ مِنَّا رَحْمَةً فَرِحَ بِهَا ۖ وَإِنْ تُصِبْهُمْ سَيِّئَةٌ بِمَا قَدَّمَتْ أَيْدِيهِمْ فَإِنَّ الْإِنْسَانَ كَفُورٌ ٤٨

もしかれらが背き去っても,われはかれらへの見張り人として,あなたを遣わした訳ではない。あなた(の務め)は,(啓示の)伝達だけである。人間はわれが恵・を味わせると,それにより高慢になる。ところが,自分の手が犯した行いのために不幸に悩まされると,本当に恩を忘れる。 (四十八)

لِلَّهِ مُلْكُ السَّمَاوَاتِ وَالْأَرْضِ ۚ يَخْلُقُ مَا يَشَاءُ ۚ يَهَبُ لِمَنْ يَشَاءُ إِنَاثًا وَيَهَبُ لِمَنْ يَشَاءُ الذُّكُورَ ٤٩

天と地の大権は,アッラーの有である。かれは御心のままに創られる。かれは,御望・の者に女児を授け,また御望・の者に男児を授けられる。 (四十九)

أَوْ يُزَوِّجُهُمْ ذُكْرَانًا وَإِنَاثًا ۖ وَيَجْعَلُ مَنْ يَشَاءُ عَقِيمًا ۚ إِنَّهُ عَلِيمٌ قَدِيرٌ ٥٠

また男と女を混ぜ(て授け),また御望・の者を不妊になされる。本当にかれは全知にして強力であられる。 (五十)

وَمَا كَانَ لِبَشَرٍ أَنْ يُكَلِّمَهُ اللَّهُ إِلَّا وَحْيًا أَوْ مِنْ وَرَاءِ حِجَابٍ أَوْ يُرْسِلَ رَسُولًا فَيُوحِيَ بِإِذْنِهِ مَا يَشَاءُ ۚ إِنَّهُ عَلِيٌّ حَكِيمٌ ٥١

アッラーが,人間に(直接)語りかけられることはない。啓示によるか,帳の陰から,または使徒(天使)を遣わし,かれが命令を下して,その御望・を明かす。本当にかれは,至高にして英明であられる。 (五十一)

وَكَذَٰلِكَ أَوْحَيْنَا إِلَيْكَ رُوحًا مِنْ أَمْرِنَا ۚ مَا كُنْتَ تَدْرِي مَا الْكِتَابُ وَلَا الْإِيمَانُ وَلَٰكِنْ جَعَلْنَاهُ نُورًا نَهْدِي بِهِ مَنْ نَشَاءُ مِنْ عِبَادِنَا ۚ وَإِنَّكَ لَتَهْدِي إِلَىٰ صِرَاطٍ مُسْتَقِيمٍ ٥٢

このようにわれは,わが命令によって,啓示(クルアーン)をあなたに下した。あなたは,啓典が何であるのか,また信仰がどんなものかを知らなかった。しかしわれは,これ(クルアーン)をわがしもべの中からわれの望む者を導く一条の光とした。あなたは,それによって(人びとを)正しい道に導くのである。 (五十二)

صِرَاطِ اللَّهِ الَّذِي لَهُ مَا فِي السَّمَاوَاتِ وَمَا فِي الْأَرْضِ ۗ أَلَا إِلَى اللَّهِ تَصِيرُ الْأُمُورُ ٥٣

天にあり地にあるすべてのものを所有するアッラーの道へ。見よ,本当にすべてはアッラー(の御許)に帰って行く。 (五十三)