スーラ・アッ=ナムル(蟻) سُورَة النمل

スーラ・アッ=ナムルは、クルアーンの第27章であり、マッカで啓示されました。これは93の節で構成され、預言者スライマーン(ソロモン)の物語と、彼がジンや動物を支配していたことを扱っています。このスーラは、蟻が互いにコミュニケーションできる能力など、自然界におけるアッラーのしるしを強調し、アッラーの主権を認識することの重要性を説いています。また、神の導きに対する異なる反応と、真理を拒否する者の運命についても言及されています。

翻訳: スーラ アン・ナムル (蟻章) سُورَة النمل

بِسْمِ اللَّهِ الرَّحْمَٰنِ الرَّحِيمِ

i

慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。

طس ۚ تِلْكَ آيَاتُ الْقُرْآنِ وَكِتَابٍ مُبِينٍ ١ i

ター・スィーン。これはクルアーンの印(凡ての事物を)明瞭にする啓典の印であり, (一)

هُدًى وَبُشْرَىٰ لِلْمُؤْمِنِينَ ٢ i

導き,信者への吉報である。 (二)

الَّذِينَ يُقِيمُونَ الصَّلَاةَ وَيُؤْتُونَ الزَّكَاةَ وَهُمْ بِالْآخِرَةِ هُمْ يُوقِنُونَ ٣ i

かれらは礼拝の務めを守り,定めの喜捨をなし,堅く来世を信じる者である。 (三)

إِنَّ الَّذِينَ لَا يُؤْمِنُونَ بِالْآخِرَةِ زَيَّنَّا لَهُمْ أَعْمَالَهُمْ فَهُمْ يَعْمَهُونَ ٤ i

われは来世を信じない者には,自分の行いを(一見)立派に見えるようにした。それで,かれらは(舷?)惑されさ迷う。 (四)

أُولَٰئِكَ الَّذِينَ لَهُمْ سُوءُ الْعَذَابِ وَهُمْ فِي الْآخِرَةِ هُمُ الْأَخْسَرُونَ ٥ i

これらは悪い懲罰が科せられる者で,来世においては,かれらこそ最大の失敗者であろう。 (五)

وَإِنَّكَ لَتُلَقَّى الْقُرْآنَ مِنْ لَدُنْ حَكِيمٍ عَلِيمٍ ٦ i

本当にあなたは,英明にして全知な御方の御許からクルアーンを授かっている。 (六)

إِذْ قَالَ مُوسَىٰ لِأَهْلِهِ إِنِّي آنَسْتُ نَارًا سَآتِيكُمْ مِنْهَا بِخَبَرٍ أَوْ آتِيكُمْ بِشِهَابٍ قَبَسٍ لَعَلَّكُمْ تَصْطَلُونَ ٧ i

ムーサーが,その家族に向かって言った時を思い起せ。「本当にわたしは,遙かに一点の火を認めた。わたしは,そこからあなたがたに火についての消息を(宙?)すであろう。または火把を持ち帰り,それであなたがたは,暖められるかもしれない。」 (七)

فَلَمَّا جَاءَهَا نُودِيَ أَنْ بُورِكَ مَنْ فِي النَّارِ وَمَنْ حَوْلَهَا وَسُبْحَانَ اللَّهِ رَبِّ الْعَالَمِينَ ٨ i

かれがそこに来ると,声があった。「火の中にいる者,そしてその廻りの者に祝福あれ。万有の主,アッラーに讃えあれ。」 (八)

يَا مُوسَىٰ إِنَّهُ أَنَا اللَّهُ الْعَزِيزُ الْحَكِيمُ ٩ i

ムーサーよ,本当にわれこそは,偉力ならびなく英明なアッラーであるぞ。 (九)

وَأَلْقِ عَصَاكَ ۚ فَلَمَّا رَآهَا تَهْتَزُّ كَأَنَّهَا جَانٌّ وَلَّىٰ مُدْبِرًا وَلَمْ يُعَقِّبْ ۚ يَا مُوسَىٰ لَا تَخَفْ إِنِّي لَا يَخَافُ لَدَيَّ الْمُرْسَلُونَ ١٠ i

さあ,あなたの杖を投げなさい」。ところがかれは,それが蛇のように動くのを見ると,逃げだし,後ろも見なかった。(その時,声があっていった。)「ムーサーよ,あなたは恐れてはならない。本当に使徒たる者は,われの前で恐れてはならない。 (十)

إِلَّا مَنْ ظَلَمَ ثُمَّ بَدَّلَ حُسْنًا بَعْدَ سُوءٍ فَإِنِّي غَفُورٌ رَحِيمٌ ١١ i

悪を行った者は別だがそれでも,その後,悪の代りに善を行う者は(恐れることはない)。本当にわれは覚容にして慈悲深き者である。 (十一)

وَأَدْخِلْ يَدَكَ فِي جَيْبِكَ تَخْرُجْ بَيْضَاءَ مِنْ غَيْرِ سُوءٍ ۖ فِي تِسْعِ آيَاتٍ إِلَىٰ فِرْعَوْنَ وَقَوْمِهِ ۚ إِنَّهُمْ كَانُوا قَوْمًا فَاسِقِينَ ١٢ i

またあなたの手をふところに入れなさい。支障もないのに,出すと白くなろう。(これらは)フィルアウンとその民に示す,9つの印の1部である。本当にかれらは,主の掟に背く民である。」 (十二)

فَلَمَّا جَاءَتْهُمْ آيَاتُنَا مُبْصِرَةً قَالُوا هَٰذَا سِحْرٌ مُبِينٌ ١٣ i

わが明瞭な印が目に見えてかれらの許に来た時,「これは明らかに魔術である。」とかれらは言った。 (十三)

وَجَحَدُوا بِهَا وَاسْتَيْقَنَتْهَا أَنْفُسُهُمْ ظُلْمًا وَعُلُوًّا ۚ فَانْظُرْ كَيْفَ كَانَ عَاقِبَةُ الْمُفْسِدِينَ ١٤ i

かれらは心の中ではそれを認めながら,不義と高慢さからこれを否認した。それでこれら悪を行う者の最後がどうであったかを見るがいい。 (十四)

وَلَقَدْ آتَيْنَا دَاوُودَ وَسُلَيْمَانَ عِلْمًا ۖ وَقَالَا الْحَمْدُ لِلَّهِ الَّذِي فَضَّلَنَا عَلَىٰ كَثِيرٍ مِنْ عِبَادِهِ الْمُؤْمِنِينَ ١٥ i

本当にわれは,ダーウードとスライマーンに知識を授けた。両人は言った。「信心深い数多いしもベの中から,わたしたちを選ばれた方,アッラーを讃えます。」 (十五)

وَوَرِثَ سُلَيْمَانُ دَاوُودَ ۖ وَقَالَ يَا أَيُّهَا النَّاسُ عُلِّمْنَا مَنْطِقَ الطَّيْرِ وَأُوتِينَا مِنْ كُلِّ شَيْءٍ ۖ إِنَّ هَٰذَا لَهُوَ الْفَضْلُ الْمُبِينُ ١٦ i

スライマーンはダーウードの後を継ぎ言った。「人びとよ,わたしたちは鳥の言葉を教えられ,また凡てのものを授けられた。これは明らかに(アッラーの)恩恵である。」 (十六)

وَحُشِرَ لِسُلَيْمَانَ جُنُودُهُ مِنَ الْجِنِّ وَالْإِنْسِ وَالطَّيْرِ فَهُمْ يُوزَعُونَ ١٧ i

スライマーンの命令でかれの軍勢が集められたが,かれらはジンと人間と鳥からなり,(きちんと)部隊に編成された。 (十七)

حَتَّىٰ إِذَا أَتَوْا عَلَىٰ وَادِ النَّمْلِ قَالَتْ نَمْلَةٌ يَا أَيُّهَا النَّمْلُ ادْخُلُوا مَسَاكِنَكُمْ لَا يَحْطِمَنَّكُمْ سُلَيْمَانُ وَجُنُودُهُ وَهُمْ لَا يَشْعُرُونَ ١٨ i

やがて蟻の谷に来た時,一匹の蟻が言った。「蟻たちよ,自分の住・かに入れ。スライマーンとその軍勢が,それと知らずにあなたがたを踏・躙らないよう。」 (十八)

فَتَبَسَّمَ ضَاحِكًا مِنْ قَوْلِهَا وَقَالَ رَبِّ أَوْزِعْنِي أَنْ أَشْكُرَ نِعْمَتَكَ الَّتِي أَنْعَمْتَ عَلَيَّ وَعَلَىٰ وَالِدَيَّ وَأَنْ أَعْمَلَ صَالِحًا تَرْضَاهُ وَأَدْخِلْنِي بِرَحْمَتِكَ فِي عِبَادِكَ الصَّالِحِينَ ١٩ i

そこでかれ(スライマーン)は,その言葉の可笑しさに顔を綻ばせ,(祈って)言った。「主よ,わたしと両親に与えられたあなたの恩恵に感謝し,あなたの御喜びに与かる善行に励むようわたしを励まし,またあなたの慈悲で,わたしを正しいしもベの中に入らせて下さい。」 (十九)

وَتَفَقَّدَ الطَّيْرَ فَقَالَ مَا لِيَ لَا أَرَى الْهُدْهُدَ أَمْ كَانَ مِنَ الْغَائِبِينَ ٢٠ i

またかれは鳥たちを検閲して,言った。「どうしたのですか。ヤツガシラ鳥がいないではないですか。あれも欠席組の中だったのですか。」 (二十)

لَأُعَذِّبَنَّهُ عَذَابًا شَدِيدًا أَوْ لَأَذْبَحَنَّهُ أَوْ لَيَأْتِيَنِّي بِسُلْطَانٍ مُبِينٍ ٢١ i

「わたしは厳しい刑で,必ずあれを処罰し,あるいは殺すでしょう。明瞭な理由をわたしに持って来ない限りは。」 (二十一)

فَمَكَثَ غَيْرَ بَعِيدٍ فَقَالَ أَحَطْتُ بِمَا لَمْ تُحِطْ بِهِ وَجِئْتُكَ مِنْ سَبَإٍ بِنَبَإٍ يَقِينٍ ٢٢ i

だが,長く待つまでもなく,それは(罷り出て)言った。「わたしは,あなたの御気付きにならない事を知りました。わたしは確実な情報を,サバアから持って来ました。 (二十二)

إِنِّي وَجَدْتُ امْرَأَةً تَمْلِكُهُمْ وَأُوتِيَتْ مِنْ كُلِّ شَيْءٍ وَلَهَا عَرْشٌ عَظِيمٌ ٢٣ i

わたしは或る婦人が,人びとを治めているのを発見しました。かの女には凡てのものが授けられ,また素晴しい王座がございます。 (二十三)

وَجَدْتُهَا وَقَوْمَهَا يَسْجُدُونَ لِلشَّمْسِ مِنْ دُونِ اللَّهِ وَزَيَّنَ لَهُمُ الشَّيْطَانُ أَعْمَالَهُمْ فَصَدَّهُمْ عَنِ السَّبِيلِ فَهُمْ لَا يَهْتَدُونَ ٢٤ i

わたしはかの女とその民が,アッラーを差し置いて太陽を拝んでいるのを見届けました。そして悪魔が,かれらに自分たちの行いを立派だと思い込ませ,正道からかれらを閉め出しているので,正しく導かれておりません。 (二十四)

أَلَّا يَسْجُدُوا لِلَّهِ الَّذِي يُخْرِجُ الْخَبْءَ فِي السَّمَاوَاتِ وَالْأَرْضِ وَيَعْلَمُ مَا تُخْفُونَ وَمَا تُعْلِنُونَ ٢٥ i

そこでかれらは,天と地の隠されたことを現わされる,アッラーを拝していません。あなたがたの隠すことも現わすことも知っておられる方を(拝していません)。 (二十五)

اللَّهُ لَا إِلَٰهَ إِلَّا هُوَ رَبُّ الْعَرْشِ الْعَظِيمِ ۩ ٢٦ i

アッラー,かれの外に神はありません。かれは壮厳な玉座の主であられます。」 〔サジダ〕 (二十六)

قَالَ سَنَنْظُرُ أَصَدَقْتَ أَمْ كُنْتَ مِنَ الْكَاذِبِينَ ٢٧ i

(スライマーン)は言った。「わたしはあなたが,真実を語ったのか,または嘘付きの徒なのか,直ぐ分るであろう。 (二十七)

اذْهَبْ بِكِتَابِي هَٰذَا فَأَلْقِهْ إِلَيْهِمْ ثُمَّ تَوَلَّ عَنْهُمْ فَانْظُرْ مَاذَا يَرْجِعُونَ ٢٨ i

あなたはわたしのこの手紙を持って行って,それをかれらに落としなさい。それから退いて,かれらが何と返事するかを見るがいい。」 (二十八)

قَالَتْ يَا أَيُّهَا الْمَلَأُ إِنِّي أُلْقِيَ إِلَيَّ كِتَابٌ كَرِيمٌ ٢٩ i

かの女(王)は言った。「長老たちよ,本当に尊い手紙がわたしに届けられました。 (二十九)

إِنَّهُ مِنْ سُلَيْمَانَ وَإِنَّهُ بِسْمِ اللَّهِ الرَّحْمَٰنِ الرَّحِيمِ ٣٠ i

本当にそれはスライマーンから,慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において((西?)されたもの)。 (三十)

أَلَّا تَعْلُوا عَلَيَّ وَأْتُونِي مُسْلِمِينَ ٣١ i

それはこう言っている。わたしに対しあなたがたは高慢であってはなりません。(真の教えに)服従してわたしのもとに来なさい。」 (三十一)

قَالَتْ يَا أَيُّهَا الْمَلَأُ أَفْتُونِي فِي أَمْرِي مَا كُنْتُ قَاطِعَةً أَمْرًا حَتَّىٰ تَشْهَدُونِ ٣٢ i

かの女は言った。「長老たちよ,この事に就いてわたしに意見を聞かせて下さい。あなたがたが証言するまでは,わたしは事を決定しないでいよう。」 (三十二)

قَالُوا نَحْنُ أُولُو قُوَّةٍ وَأُولُو بَأْسٍ شَدِيدٍ وَالْأَمْرُ إِلَيْكِ فَانْظُرِي مَاذَا تَأْمُرِينَ ٣٣ i

かれらは言った。「わたしたちは力量もあり,烈々たる武勇も授っています。だが大命はあなたさまの手にあります。どう御命令なさるかよく御考え下さい。」 (三十三)

قَالَتْ إِنَّ الْمُلُوكَ إِذَا دَخَلُوا قَرْيَةً أَفْسَدُوهَا وَجَعَلُوا أَعِزَّةَ أَهْلِهَا أَذِلَّةً ۖ وَكَذَٰلِكَ يَفْعَلُونَ ٣٤ i

かの女は言った。「本当に帝王たちが町に入る時は,それを荒廃させ,またその住民の最も身分の高い者を最も卑しくします。かれらはこのように行うのが,常です。 (三十四)

وَإِنِّي مُرْسِلَةٌ إِلَيْهِمْ بِهَدِيَّةٍ فَنَاظِرَةٌ بِمَ يَرْجِعُ الْمُرْسَلُونَ ٣٥ i

それでわたしは,かれらに贈物を届けましよう。そして使節がどんな(返事を)持ち帰るか見ましょう。」 (三十五)

فَلَمَّا جَاءَ سُلَيْمَانَ قَالَ أَتُمِدُّونَنِ بِمَالٍ فَمَا آتَانِيَ اللَّهُ خَيْرٌ مِمَّا آتَاكُمْ بَلْ أَنْتُمْ بِهَدِيَّتِكُمْ تَفْرَحُونَ ٣٦ i

(使節が)スライマーンを訪れると,かれは言った。「あなたがたは,わたしの富を増やそうとするのですか。だがアッラーがわたしに与えたものは,あなたがたが贈るものよりも優っています。いや,あなたがたは,自分の贈物で(勝手に)喜んでいるだけです。 (三十六)

ارْجِعْ إِلَيْهِمْ فَلَنَأْتِيَنَّهُمْ بِجُنُودٍ لَا قِبَلَ لَهُمْ بِهَا وَلَنُخْرِجَنَّهُمْ مِنْهَا أَذِلَّةً وَهُمْ صَاغِرُونَ ٣٧ i

かれらの許に帰れ,わたしは必ずかれらが立ち向かえない軍勢でもって臨・,かれらの面目を失わせ身分の卑しい者にしてそこから追い出すでしょう。」 (三十七)

قَالَ يَا أَيُّهَا الْمَلَأُ أَيُّكُمْ يَأْتِينِي بِعَرْشِهَا قَبْلَ أَنْ يَأْتُونِي مُسْلِمِينَ ٣٨ i

(スライマーンは自分の民に)言った。「長老たちよ。あなたがたの中,かれらが服従してわたしの許に来る前に,かの女の王座をわたしに持って来ることが出来るのは誰ですか。」 (三十八)

قَالَ عِفْرِيتٌ مِنَ الْجِنِّ أَنَا آتِيكَ بِهِ قَبْلَ أَنْ تَقُومَ مِنْ مَقَامِكَ ۖ وَإِنِّي عَلَيْهِ لَقَوِيٌّ أَمِينٌ ٣٩ i

するとジンの大物が言った。「わたしはそれを,あなたが席から御立ちになる前に,持って参りましょう。本当にわたしは,それに就いては能力があり信頼出来る者です。」 (三十九)

قَالَ الَّذِي عِنْدَهُ عِلْمٌ مِنَ الْكِتَابِ أَنَا آتِيكَ بِهِ قَبْلَ أَنْ يَرْتَدَّ إِلَيْكَ طَرْفُكَ ۚ فَلَمَّا رَآهُ مُسْتَقِرًّا عِنْدَهُ قَالَ هَٰذَا مِنْ فَضْلِ رَبِّي لِيَبْلُوَنِي أَأَشْكُرُ أَمْ أَكْفُرُ ۖ وَمَنْ شَكَرَ فَإِنَّمَا يَشْكُرُ لِنَفْسِهِ ۖ وَمَنْ كَفَرَ فَإِنَّ رَبِّي غَنِيٌّ كَرِيمٌ ٤٠ i

啓典の知識をもつ者は言った。「わたしは一つの瞬きの間に,あなたにそれを持って参りましょう。」(スライマーンは)それがかれの前に置かれたのを見て,言った。「これはわたしの主の御恵・。わたしが感謝するか,または恩知らずかを試・られるためです。本当に感謝する者は,自分のために感謝するも同然。誰が恩知らずであってもわたしの主は,満ち足られる方崇高な方です。」 (四十)

قَالَ نَكِّرُوا لَهَا عَرْشَهَا نَنْظُرْ أَتَهْتَدِي أَمْ تَكُونُ مِنَ الَّذِينَ لَا يَهْتَدُونَ ٤١ i

スライマーンは,「かの女の王座の装いを変えなさい。かの女が導かれているのか,導かれていないのかを試して見よう。」と言った。 (四十一)

فَلَمَّا جَاءَتْ قِيلَ أَهَٰكَذَا عَرْشُكِ ۖ قَالَتْ كَأَنَّهُ هُوَ ۚ وَأُوتِينَا الْعِلْمَ مِنْ قَبْلِهَا وَكُنَّا مُسْلِمِينَ ٤٢ i

そこでかの女が到着すると「あなたの王座は,このようであったのか。」と尋ねた。かの女は言った。「それらしゅうございます。」さてかれは(考えた)。「わたしたちは,かの女より以前に知識を与えられ(アッラーに)服従,帰依しています。 (四十二)

وَصَدَّهَا مَا كَانَتْ تَعْبُدُ مِنْ دُونِ اللَّهِ ۖ إِنَّهَا كَانَتْ مِنْ قَوْمٍ كَافِرِينَ ٤٣ i

だがかの女がアッラー以外に拝していたものが,かの女を行き詰らせました。本当にかの女は,不信心な民の一人でした。」 (四十三)

قِيلَ لَهَا ادْخُلِي الصَّرْحَ ۖ فَلَمَّا رَأَتْهُ حَسِبَتْهُ لُجَّةً وَكَشَفَتْ عَنْ سَاقَيْهَا ۚ قَالَ إِنَّهُ صَرْحٌ مُمَرَّدٌ مِنْ قَوَارِيرَ ۗ قَالَتْ رَبِّ إِنِّي ظَلَمْتُ نَفْسِي وَأَسْلَمْتُ مَعَ سُلَيْمَانَ لِلَّهِ رَبِّ الْعَالَمِينَ ٤٤ i

(それから)かの女は,宮殿に入るよう告げられた。だがそれを見た時,池だと思い,(裾を上げて)かの女は両脚を現わした。スライマーンは言った。「本当にこれはガラス張りの宮殴です。」かの女は,「主よ,本当にわたしは自ら不義を犯しました。(今)わたしは,スライマーンと共に万有の主に服従,帰依いたします。」と言った。 (四十四)

وَلَقَدْ أَرْسَلْنَا إِلَىٰ ثَمُودَ أَخَاهُمْ صَالِحًا أَنِ اعْبُدُوا اللَّهَ فَإِذَا هُمْ فَرِيقَانِ يَخْتَصِمُونَ ٤٥ i

われは先に,サムードの民にその兄弟のサーリフを遣わした。(かれは)「アッラーに仕えなさい。」(と申し渡した)。ところが見るがいい。かれらは2派に分れて争った。 (四十五)

قَالَ يَا قَوْمِ لِمَ تَسْتَعْجِلُونَ بِالسَّيِّئَةِ قَبْلَ الْحَسَنَةِ ۖ لَوْلَا تَسْتَغْفِرُونَ اللَّهَ لَعَلَّكُمْ تُرْحَمُونَ ٤٦ i

かれは言った。「わたしの人びとよ,あなたがたは,何故善い事を差し置いて悪事に急ぐのですか。何故あなたがたは,アッラーの御赦しを請わないのですか。必ず御恵・にあずかるのに。」 (四十六)

قَالُوا اطَّيَّرْنَا بِكَ وَبِمَنْ مَعَكَ ۚ قَالَ طَائِرُكُمْ عِنْدَ اللَّهِ ۖ بَلْ أَنْتُمْ قَوْمٌ تُفْتَنُونَ ٤٧ i

かれらは言った。「わたしたちがあなたと,あなたの仲間の者に就いて鳥占いすると凶と出ました。」(かれは答えて)言った。「あなたがたの凶兆は,アッラーの御許にあります。いや,あなたがたこそは(アッラーによって)試・られている民です。」 (四十七)

وَكَانَ فِي الْمَدِينَةِ تِسْعَةُ رَهْطٍ يُفْسِدُونَ فِي الْأَرْضِ وَلَا يُصْلِحُونَ ٤٨ i

この町には9人の一団がいた。かれらは地上に害悪を流し改心しなかった。 (四十八)

قَالُوا تَقَاسَمُوا بِاللَّهِ لَنُبَيِّتَنَّهُ وَأَهْلَهُ ثُمَّ لَنَقُولَنَّ لِوَلِيِّهِ مَا شَهِدْنَا مَهْلِكَ أَهْلِهِ وَإِنَّا لَصَادِقُونَ ٤٩ i

かれらは言った。「かれ(サーリフ)とその家族を夜襲するように,アッラーにかけて誓いあおう。その後かれの保護者に告げましょう。『わたしたちは,かれの家族の殺害を目撃していません。本当であり嘘ではありません。』」 (四十九)

وَمَكَرُوا مَكْرًا وَمَكَرْنَا مَكْرًا وَهُمْ لَا يَشْعُرُونَ ٥٠ i

かれらは策謀して企んだが,われも策を巡した。だがかれらは(それに)気付かない。 (五十)

فَانْظُرْ كَيْفَ كَانَ عَاقِبَةُ مَكْرِهِمْ أَنَّا دَمَّرْنَاهُمْ وَقَوْمَهُمْ أَجْمَعِينَ ٥١ i

だから見るがいい。かれらの策謀の最後がどんなものであったかを。本当にわれは,かれらとその民を一斉に滅ぼしてしまった。 (五十一)

فَتِلْكَ بُيُوتُهُمْ خَاوِيَةً بِمَا ظَلَمُوا ۗ إِنَّ فِي ذَٰلِكَ لَآيَةً لِقَوْمٍ يَعْلَمُونَ ٥٢ i

かくてこれこそ,不義を行ったために廃墟と化したかれらの住居跡である。本当にこの中に知識ある民への一つの印がある。 (五十二)

وَأَنْجَيْنَا الَّذِينَ آمَنُوا وَكَانُوا يَتَّقُونَ ٥٣ i

そしてわれは,信仰して主を畏れる者たちを救った。 (五十三)

وَلُوطًا إِذْ قَالَ لِقَوْمِهِ أَتَأْتُونَ الْفَاحِشَةَ وَأَنْتُمْ تُبْصِرُونَ ٥٤ i

(われはまた)ルート(を遣わした),かれがその民にこう言った時を思い起しなさい。「あなたがたは(不義だと)認めていながら,破廉恥な行為をするのですか。 (五十四)

أَئِنَّكُمْ لَتَأْتُونَ الرِّجَالَ شَهْوَةً مِنْ دُونِ النِّسَاءِ ۚ بَلْ أَنْتُمْ قَوْمٌ تَجْهَلُونَ ٥٥ i

あなたがたは,情欲をもって女たちを差し置いて男のもとに行くのですか。いや,あなたがたは,本当に無知の民です。」 (五十五)

فَمَا كَانَ جَوَابَ قَوْمِهِ إِلَّا أَنْ قَالُوا أَخْرِجُوا آلَ لُوطٍ مِنْ قَرْيَتِكُمْ ۖ إِنَّهُمْ أُنَاسٌ يَتَطَهَّرُونَ ٥٦ i

だがかれらの民は,(真面目に)答えず,「この町からルートの家族を追い出しなさい。 かれらは本当に純潔振る人びとです。」と言うだけであった。 (五十六)

فَأَنْجَيْنَاهُ وَأَهْلَهُ إِلَّا امْرَأَتَهُ قَدَّرْنَاهَا مِنَ الْغَابِرِينَ ٥٧ i

だがわれは,かれ(ルート)の妻を除いてかれとかれの一家を救い,かの女を後に残すことにした。 (五十七)

وَأَمْطَرْنَا عَلَيْهِمْ مَطَرًا ۖ فَسَاءَ مَطَرُ الْمُنْذَرِينَ ٥٨ i

そしてわれはかれらの上に,(石の)雨をどっと降らせた。この雨は警告された者にとり災いであった。 (五十八)

قُلِ الْحَمْدُ لِلَّهِ وَسَلَامٌ عَلَىٰ عِبَادِهِ الَّذِينَ اصْطَفَىٰ ۗ آللَّهُ خَيْرٌ أَمَّا يُشْرِكُونَ ٥٩ i

言ってやるがいい。「アッラーに讃えあれ。かれが選ばれるしもべたちの上に平安あれ。アッラーが好ましいか,またはかれらが(かれに)配する神々か。 (五十九)

أَمَّنْ خَلَقَ السَّمَاوَاتِ وَالْأَرْضَ وَأَنْزَلَ لَكُمْ مِنَ السَّمَاءِ مَاءً فَأَنْبَتْنَا بِهِ حَدَائِقَ ذَاتَ بَهْجَةٍ مَا كَانَ لَكُمْ أَنْ تُنْبِتُوا شَجَرَهَا ۗ أَإِلَٰهٌ مَعَ اللَّهِ ۚ بَلْ هُمْ قَوْمٌ يَعْدِلُونَ ٦٠ i

誰が,天と地を創造したのか。また誰があなたがたのために,天から雨を降らせるのか。それでわれは,美しい果樹園をおい茂らせる。そこの樹木を成長させることは,あなたがたには出来ない。アッラーと共に(それが出来る外の)神があろうか。いや,かれらは(正しい道から)外れた民である。 (六十)

أَمَّنْ جَعَلَ الْأَرْضَ قَرَارًا وَجَعَلَ خِلَالَهَا أَنْهَارًا وَجَعَلَ لَهَا رَوَاسِيَ وَجَعَلَ بَيْنَ الْبَحْرَيْنِ حَاجِزًا ۗ أَإِلَٰهٌ مَعَ اللَّهِ ۚ بَلْ أَكْثَرُهُمْ لَا يَعْلَمُونَ ٦١ i

誰が,大地を不動の地となし,そこに川を蝕け,そこに山々を置いて安定させ,2つの海の間に隔壁を蝕けたのか。アッラーと共に(それが出来る外の)神があろうか。いや,かれらの多くは知らないのである。 (六十一)

أَمَّنْ يُجِيبُ الْمُضْطَرَّ إِذَا دَعَاهُ وَيَكْشِفُ السُّوءَ وَيَجْعَلُكُمْ خُلَفَاءَ الْأَرْضِ ۗ أَإِلَٰهٌ مَعَ اللَّهِ ۚ قَلِيلًا مَا تَذَكَّرُونَ ٦٢ i

苦難のさいに祈る時,誰がそれに答えて災難を除き,あなたがたを地上の後継者とするのか。アッラーと共に(それが出来る外の)神があろうか。だがあなたがたは,少しも留意することがない。 (六十二)

أَمَّنْ يَهْدِيكُمْ فِي ظُلُمَاتِ الْبَرِّ وَالْبَحْرِ وَمَنْ يُرْسِلُ الرِّيَاحَ بُشْرًا بَيْنَ يَدَيْ رَحْمَتِهِ ۗ أَإِلَٰهٌ مَعَ اللَّهِ ۚ تَعَالَى اللَّهُ عَمَّا يُشْرِكُونَ ٦٣ i

陸と海の情黒の中で,あなたがたを導くのは誰か,また慈悲の前兆の吉報として,風を送るのは誰か。アッラーと共に(それが出来る外の)神があろうか。アッラーはかれらが(主に)配して崇めているもの(偶像)の上にいと高くおられる。 (六十三)

أَمَّنْ يَبْدَأُ الْخَلْقَ ثُمَّ يُعِيدُهُ وَمَنْ يَرْزُقُكُمْ مِنَ السَّمَاءِ وَالْأَرْضِ ۗ أَإِلَٰهٌ مَعَ اللَّهِ ۚ قُلْ هَاتُوا بُرْهَانَكُمْ إِنْ كُنْتُمْ صَادِقِينَ ٦٤ i

創造をなし,それからそれを繰り返し,天と地からあなたがたを扶養するのは誰か。アッラーと共に(それが出来る外の)神があろうか。言ってやるがいい。「あなたがたが真実を語っているというのなら,その証拠を出しなさい。」 (六十四)

قُلْ لَا يَعْلَمُ مَنْ فِي السَّمَاوَاتِ وَالْأَرْضِ الْغَيْبَ إِلَّا اللَّهُ ۚ وَمَا يَشْعُرُونَ أَيَّانَ يُبْعَثُونَ ٦٥ i

言ってやるがいい。「幽玄界を知るものは,天地の間でアッラーの外にはないのである。」またかれらは,何時甦らされるか感知出来ない。 (六十五)

بَلِ ادَّارَكَ عِلْمُهُمْ فِي الْآخِرَةِ ۚ بَلْ هُمْ فِي شَكٍّ مِنْهَا ۖ بَلْ هُمْ مِنْهَا عَمُونَ ٦٦ i

いや,かれらの知識は来世に及ばない。いや,それに疑いを抱いている。いや,それに就いてかれらは盲目である。 (六十六)

وَقَالَ الَّذِينَ كَفَرُوا أَإِذَا كُنَّا تُرَابًا وَآبَاؤُنَا أَئِنَّا لَمُخْرَجُونَ ٦٧ i

不信心の者は言う。「わたしたちやわたしたち祖先が,泥になってしまってから,本当に甦らされるのであろうか。 (六十七)

لَقَدْ وُعِدْنَا هَٰذَا نَحْنُ وَآبَاؤُنَا مِنْ قَبْلُ إِنْ هَٰذَا إِلَّا أَسَاطِيرُ الْأَوَّلِينَ ٦٨ i

わたしたちもわたしたちの祖先も,以前,このことを約束された。だが本当にこれは,昔の人の物語に過ぎない。」 (六十八)

قُلْ سِيرُوا فِي الْأَرْضِ فَانْظُرُوا كَيْفَ كَانَ عَاقِبَةُ الْمُجْرِمِينَ ٦٩ i

言ってやるがいい。「地上を旅して,これら罪深い者の最後がどうであったかを見届けよ。」 (六十九)

وَلَا تَحْزَنْ عَلَيْهِمْ وَلَا تَكُنْ فِي ضَيْقٍ مِمَّا يَمْكُرُونَ ٧٠ i

あなたは,かれらに就いて悲嘆しなくてもよい。またかれらの策謀に心を痛めなくてもよい。 (七十)

وَيَقُولُونَ مَتَىٰ هَٰذَا الْوَعْدُ إِنْ كُنْتُمْ صَادِقِينَ ٧١ i

かれらは言うのである。「あなたがたが真実を言うのなら,この(威嚇の)約束(が来るの)は何時ですか。」 (七十一)

قُلْ عَسَىٰ أَنْ يَكُونَ رَدِفَ لَكُمْ بَعْضُ الَّذِي تَسْتَعْجِلُونَ ٧٢ i

言ってやるがいい。「あなたがたの急いでいることの幾つかは,あなたがたに迫っているかも知れない。」 (七十二)

وَإِنَّ رَبَّكَ لَذُو فَضْلٍ عَلَى النَّاسِ وَلَٰكِنَّ أَكْثَرَهُمْ لَا يَشْكُرُونَ ٧٣ i

本当にあなたの主は,人間に対し恩恵を施す御方である。だが,かれらの多くは感謝もしていない。 (七十三)

وَإِنَّ رَبَّكَ لَيَعْلَمُ مَا تُكِنُّ صُدُورُهُمْ وَمَا يُعْلِنُونَ ٧٤ i

本当にあなたの主は,かれらが胸に隠すことも現わすことも知っておられる。 (七十四)

وَمَا مِنْ غَائِبَةٍ فِي السَّمَاءِ وَالْأَرْضِ إِلَّا فِي كِتَابٍ مُبِينٍ ٧٥ i

天と地の隠されたことは,等しく明瞭に書冊の中に(記されて)ある。 (七十五)

إِنَّ هَٰذَا الْقُرْآنَ يَقُصُّ عَلَىٰ بَنِي إِسْرَائِيلَ أَكْثَرَ الَّذِي هُمْ فِيهِ يَخْتَلِفُونَ ٧٦ i

本当にこのクルアーンは,イスラエルの子孫に,かれらが議論している最も大きな問題について語るものである。 (七十六)

وَإِنَّهُ لَهُدًى وَرَحْمَةٌ لِلْمُؤْمِنِينَ ٧٧ i

本当にそれは,信仰する者たちに対する導きであり慈悲である。 (七十七)

إِنَّ رَبَّكَ يَقْضِي بَيْنَهُمْ بِحُكْمِهِ ۚ وَهُوَ الْعَزِيزُ الْعَلِيمُ ٧٨ i

本当にあなたの主は,御自分の叡智をもってかれらの間を裁定されるであろう。かれは,偉力ならびなく全知であられる。 (七十八)

فَتَوَكَّلْ عَلَى اللَّهِ ۖ إِنَّكَ عَلَى الْحَقِّ الْمُبِينِ ٧٩ i

そこであなたは(凡て)アッラーに御任せしなさい。本当にあなたは,明白な真理の(道の)上にいるのである。 (七十九)

إِنَّكَ لَا تُسْمِعُ الْمَوْتَىٰ وَلَا تُسْمِعُ الصُّمَّ الدُّعَاءَ إِذَا وَلَّوْا مُدْبِرِينَ ٨٠ i

本当にあなたは,死者に聞かせることは出来ない。また聞えぬ者に呼び掛けても聞かせることは出来ない。(ことに)かれらが背を向けて引き取る時は。 (八十)

وَمَا أَنْتَ بِهَادِي الْعُمْيِ عَنْ ضَلَالَتِهِمْ ۖ إِنْ تُسْمِعُ إِلَّا مَنْ يُؤْمِنُ بِآيَاتِنَا فَهُمْ مُسْلِمُونَ ٨١ i

またあなたは見えない者を,迷いから導くことは出来ない。あなたはただ,わが印を信じる者たちに聞かせられるだけである。そうすればかれらは服従,帰依するであろう。 (八十一)

وَإِذَا وَقَعَ الْقَوْلُ عَلَيْهِمْ أَخْرَجْنَا لَهُمْ دَابَّةً مِنَ الْأَرْضِ تُكَلِّمُهُمْ أَنَّ النَّاسَ كَانُوا بِآيَاتِنَا لَا يُوقِنُونَ ٨٢ i

かれらに対し御言葉が実現される時,われは大地から一獣を現わし,人間たちがわが印を信じなかったことを告げさせよう。 (八十二)

وَيَوْمَ نَحْشُرُ مِنْ كُلِّ أُمَّةٍ فَوْجًا مِمَّنْ يُكَذِّبُ بِآيَاتِنَا فَهُمْ يُوزَعُونَ ٨٣ i

その日われは,それぞれの民族から,わが印を虚偽であるとした一群を集め,隊列に並べよう。 (八十三)

حَتَّىٰ إِذَا جَاءُوا قَالَ أَكَذَّبْتُمْ بِآيَاتِي وَلَمْ تُحِيطُوا بِهَا عِلْمًا أَمَّاذَا كُنْتُمْ تَعْمَلُونَ ٨٤ i

(審判の席)まで,かれらが来た時仰せられよう。「あなたがたは,(自分の)知識では,わが印を理解出来なかったのに,それらを嘘であるとして信じなかったではないか。(そうでなかったら)あなたがたは一体何をしていたのか。」 (八十四)

وَوَقَعَ الْقَوْلُ عَلَيْهِمْ بِمَا ظَلَمُوا فَهُمْ لَا يَنْطِقُونَ ٨٥ i

そして御言葉が,かれらに対し下されると,その自ら行った悪行のためにかれらは(一言も)言えないであろう。 (八十五)

أَلَمْ يَرَوْا أَنَّا جَعَلْنَا اللَّيْلَ لِيَسْكُنُوا فِيهِ وَالنَّهَارَ مُبْصِرًا ۚ إِنَّ فِي ذَٰلِكَ لَآيَاتٍ لِقَوْمٍ يُؤْمِنُونَ ٨٦ i

かれらは気が付かないのか。われはかれらの憩いのために夜を蝕け,またものが見えるように昼を定めたではないか。本当にこの中には,信じる人びとへの印がある。 (八十六)

وَيَوْمَ يُنْفَخُ فِي الصُّورِ فَفَزِعَ مَنْ فِي السَّمَاوَاتِ وَمَنْ فِي الْأَرْضِ إِلَّا مَنْ شَاءَ اللَّهُ ۚ وَكُلٌّ أَتَوْهُ دَاخِرِينَ ٨٧ i

ラッパの吹かれる日(をかれらに警告しなさい)。アッラーが御好・の者の外は,天にあり地にある凡てのものは恐れ戦き,皆身を低くしてかれ(の御前)に罷り出よう。 (八十七)

وَتَرَى الْجِبَالَ تَحْسَبُهَا جَامِدَةً وَهِيَ تَمُرُّ مَرَّ السَّحَابِ ۚ صُنْعَ اللَّهِ الَّذِي أَتْقَنَ كُلَّ شَيْءٍ ۚ إِنَّهُ خَبِيرٌ بِمَا تَفْعَلُونَ ٨٨ i

あなたは山々を見て堅固であると思うだろう。だがそれは雲が散るように通り過ぎていくのである。それは凡てのものを,完成なされるアッラーの御業である。本当にかれはあなたがたの行うことを熟知なされる。 (八十八)

مَنْ جَاءَ بِالْحَسَنَةِ فَلَهُ خَيْرٌ مِنْهَا وَهُمْ مِنْ فَزَعٍ يَوْمَئِذٍ آمِنُونَ ٨٩ i

善事を携えて来る者には,それよりも善いものを与えられ,その日,恐れから安全になろう。 (八十九)

وَمَنْ جَاءَ بِالسَّيِّئَةِ فَكُبَّتْ وُجُوهُهُمْ فِي النَّارِ هَلْ تُجْزَوْنَ إِلَّا مَا كُنْتُمْ تَعْمَلُونَ ٩٠ i

悪事を携えて来る者は,顔から先に火獄に投げ込まれよう。さてもあなたがたは自分の行ったこと以外のことで,報われようか。(そんなことはない。) (九十)

إِنَّمَا أُمِرْتُ أَنْ أَعْبُدَ رَبَّ هَٰذِهِ الْبَلْدَةِ الَّذِي حَرَّمَهَا وَلَهُ كُلُّ شَيْءٍ ۖ وَأُمِرْتُ أَنْ أَكُونَ مِنَ الْمُسْلِمِينَ ٩١ i

わたしは,聖域となされたこの町(マッカ)の主にだけ仕えなさいと命じられた。凡ての有はかれに属する。わたしは,服従,帰依する者の一人であるよう命じられ, (九十一)

وَأَنْ أَتْلُوَ الْقُرْآنَ ۖ فَمَنِ اهْتَدَىٰ فَإِنَّمَا يَهْتَدِي لِنَفْسِهِ ۖ وَمَنْ ضَلَّ فَقُلْ إِنَّمَا أَنَا مِنَ الْمُنْذِرِينَ ٩٢ i

またクルアーンを読誦するよう (命じられた)。それで導きを受ける者は,自分自身のために導かれるのである。そして迷う者には,「わたしは警告者の1人に過ぎない」と言ってやるがいい。 (九十二)

وَقُلِ الْحَمْدُ لِلَّهِ سَيُرِيكُمْ آيَاتِهِ فَتَعْرِفُونَهَا ۚ وَمَا رَبُّكَ بِغَافِلٍ عَمَّا تَعْمَلُونَ ٩٣ i

また言ってやるがいい。「アッラーを讃えよ。かれは間もなく数々の印を示される。そしてあなたがたも,それを知ることになろう。主はあなたがたの行うことを,疎かになされない。」 (九十三)