翻訳: スーラ アス・サッファート (隊列章) سُورَة الصافات
بِسْمِ اللَّهِ الرَّحْمَٰنِ الرَّحِيمِ
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。
وَالصَّافَّاتِ صَفًّا ١
整然と列をなす者たちにおいて。 (一)
فَالزَّاجِرَاتِ زَجْرًا ٢
駆り立て追う者において。 (二)
فَالتَّالِيَاتِ ذِكْرًا ٣
また訓戒(のグルアーン)を読・聞かせる者において,誓う。 (三)
إِنَّ إِلَٰهَكُمْ لَوَاحِدٌ ٤
本当にあなたがたの神は,唯一の主である。 (四)
رَبُّ السَّمَاوَاتِ وَالْأَرْضِ وَمَا بَيْنَهُمَا وَرَبُّ الْمَشَارِقِ ٥
天と地,そしてその間にある凡てのものの主,また日の出を司どる主である。 (五)
إِنَّا زَيَّنَّا السَّمَاءَ الدُّنْيَا بِزِينَةٍ الْكَوَاكِبِ ٦
本当にわれは,星々で下層の天を飾り, (六)
وَحِفْظًا مِنْ كُلِّ شَيْطَانٍ مَارِدٍ ٧
(アッラーの命令に)逆らう悪魔にたいする守りとした。 (七)
لَا يَسَّمَّعُونَ إِلَى الْمَلَإِ الْأَعْلَىٰ وَيُقْذَفُونَ مِنْ كُلِّ جَانِبٍ ٨
かれらは八方から撃たれ,最高の会議を盗・聞くことは出来ない。 (八)
دُحُورًا ۖ وَلَهُمْ عَذَابٌ وَاصِبٌ ٩
撃退されて,かれらは永久の懲罰を受ける。 (九)
إِلَّا مَنْ خَطِفَ الْخَطْفَةَ فَأَتْبَعَهُ شِهَابٌ ثَاقِبٌ ١٠
盗聴し得た者があっても,白熱の炎が追跡する。 (十)
فَاسْتَفْتِهِمْ أَهُمْ أَشَدُّ خَلْقًا أَمْ مَنْ خَلَقْنَا ۚ إِنَّا خَلَقْنَاهُمْ مِنْ طِينٍ لَازِبٍ ١١
かれら(マッカの多神教徒)に問え。「かれらとわれの創った者(天使)のどちらが強く創られているか。」われはもともと,粘りのある泥でかれらを創ったのである。 (十一)
بَلْ عَجِبْتَ وَيَسْخَرُونَ ١٢
あなたは感嘆しているというのに,かれらは嘲笑する。 (十二)
وَإِذَا ذُكِّرُوا لَا يَذْكُرُونَ ١٣
警告されても,かれらは警告を受け入れない。 (十三)
وَإِذَا رَأَوْا آيَةً يَسْتَسْخِرُونَ ١٤
またかれらは,印を見ても嘲笑するばかり。 (十四)
وَقَالُوا إِنْ هَٰذَا إِلَّا سِحْرٌ مُبِينٌ ١٥
そしてかれらは言う。「これは明らかに魔術にちがいありません。 (十五)
أَإِذَا مِتْنَا وَكُنَّا تُرَابًا وَعِظَامًا أَإِنَّا لَمَبْعُوثُونَ ١٦
わたしたちが死んで土と骨になってから,(また)呼び起こされましようか。 (十六)
أَوَآبَاؤُنَا الْأَوَّلُونَ ١٧
遠い祖先たちも(一緒にですか)と言う。 (十七)
قُلْ نَعَمْ وَأَنْتُمْ دَاخِرُونَ ١٨
言ってやるがいい。「その通り。あなたがたは卑しめられるのである。」 (十八)
فَإِنَّمَا هِيَ زَجْرَةٌ وَاحِدَةٌ فَإِذَا هُمْ يَنْظُرُونَ ١٩
それは只一声の叫びである。その時かれらは(恐ろしい光景を)目の当たりに見て, (十九)
وَقَالُوا يَا وَيْلَنَا هَٰذَا يَوْمُ الدِّينِ ٢٠
「ああ情けない,これが審判の日ですか。」と言う。 (二十)
هَٰذَا يَوْمُ الْفَصْلِ الَّذِي كُنْتُمْ بِهِ تُكَذِّبُونَ ٢١
「これはあなたがたが信じなかった区分の日である。 (二十一)
احْشُرُوا الَّذِينَ ظَلَمُوا وَأَزْوَاجَهُمْ وَمَا كَانُوا يَعْبُدُونَ ٢٢
不義を行っていた者たち,その妻たち,またかれらがアッラーを差し置いて拝していたものたちを集めなさい。 (二十二)
مِنْ دُونِ اللَّهِ فَاهْدُوهُمْ إِلَىٰ صِرَاطِ الْجَحِيمِ ٢٣
かれらを火獄への道に連れて行け。 (二十三)
وَقِفُوهُمْ ۖ إِنَّهُمْ مَسْئُولُونَ ٢٤
いや,かれらを待たせておけ。かれらに尋ねることがある。 (二十四)
مَا لَكُمْ لَا تَنَاصَرُونَ ٢٥
あなたがたが助け合わないのはどうしたことか。」 (二十五)
بَلْ هُمُ الْيَوْمَ مُسْتَسْلِمُونَ ٢٦
いや,今日ばかりは,かれらも(審判に)服する。 (二十六)
وَأَقْبَلَ بَعْضُهُمْ عَلَىٰ بَعْضٍ يَتَسَاءَلُونَ ٢٧
かれらは栗いに近づき尋ね合う。 (二十七)
قَالُوا إِنَّكُمْ كُنْتُمْ تَأْتُونَنَا عَنِ الْيَمِينِ ٢٨
一方は言う。「本当にあなたがたは,右から来ました。」 (二十八)
قَالُوا بَلْ لَمْ تَكُونُوا مُؤْمِنِينَ ٢٩
すると他方は言う。「いや,あなたがたは,(もともと)信者ではありませんでした。 (二十九)
وَمَا كَانَ لَنَا عَلَيْكُمْ مِنْ سُلْطَانٍ ۖ بَلْ كُنْتُمْ قَوْمًا طَاغِينَ ٣٠
また,わたしたちはあなたがたに押し付ける権威もありませんでした。それにあなたがたは反逆の徒でした。 (三十)
فَحَقَّ عَلَيْنَا قَوْلُ رَبِّنَا ۖ إِنَّا لَذَائِقُونَ ٣١
それで主の御言葉が,わたしたちに実証された今,わたしたちは,(懲罰を)味わわねばならない。 (三十一)
فَأَغْوَيْنَاكُمْ إِنَّا كُنَّا غَاوِينَ ٣٢
わたしたちはあなたがたを迷わせたが,わたしたち自身も迷っていたのです。」 (三十二)
فَإِنَّهُمْ يَوْمَئِذٍ فِي الْعَذَابِ مُشْتَرِكُونَ ٣٣
こうしてその日,かれらは,(凡て)共に懲罰を受ける。 (三十三)
إِنَّا كَذَٰلِكَ نَفْعَلُ بِالْمُجْرِمِينَ ٣٤
本当にわれはこのように罪を犯した者を処分する。 (三十四)
إِنَّهُمْ كَانُوا إِذَا قِيلَ لَهُمْ لَا إِلَٰهَ إِلَّا اللَّهُ يَسْتَكْبِرُونَ ٣٥
かれらは,「アッラーの外に神はありません。」と告げられると,いつも高慢になった。 (三十五)
وَيَقُولُونَ أَئِنَّا لَتَارِكُو آلِهَتِنَا لِشَاعِرٍ مَجْنُونٍ ٣٦
そして,「気狂い詩人のために,わたしたちの神々を捨ててなるものですか。」と言っていた。 (三十六)
بَلْ جَاءَ بِالْحَقِّ وَصَدَّقَ الْمُرْسَلِينَ ٣٧
いや,かれは真理を(お?)して,(かれ以前の)預言者たち(の啓典)を確証する者である。 (三十七)
إِنَّكُمْ لَذَائِقُو الْعَذَابِ الْأَلِيمِ ٣٨
あなたがたは,必ず痛ましい懲罰を味わうであろう。 (三十八)
وَمَا تُجْزَوْنَ إِلَّا مَا كُنْتُمْ تَعْمَلُونَ ٣٩
どうせ皆あなたがたが行ったことの報いである。 (三十九)
إِلَّا عِبَادَ اللَّهِ الْمُخْلَصِينَ ٤٠
だがアッラーの忠誠なしもべたちは,別である。 (四十)
أُولَٰئِكَ لَهُمْ رِزْقٌ مَعْلُومٌ ٤١
それらの者には,定めの恩恵があり, (四十一)
فَوَاكِهُ ۖ وَهُمْ مُكْرَمُونَ ٤٢
(喜ばしい)果実,そして栄誉が(授けられ), (四十二)
فِي جَنَّاتِ النَّعِيمِ ٤٣
至福の楽園の中で, (四十三)
عَلَىٰ سُرُرٍ مُتَقَابِلِينَ ٤٤
寝床の上で向かい合う。 (四十四)
يُطَافُ عَلَيْهِمْ بِكَأْسٍ مِنْ مَعِينٍ ٤٥
清い泉からくんだ杯は,かれらにゆきわたり, (四十五)
بَيْضَاءَ لَذَّةٍ لِلشَّارِبِينَ ٤٦
真白(な美酒は),飲む者に心地よい甘さ。 (四十六)
لَا فِيهَا غَوْلٌ وَلَا هُمْ عَنْهَا يُنْزَفُونَ ٤٧
これは,頭痛を催さず,酔わせもしない。 (四十七)
وَعِنْدَهُمْ قَاصِرَاتُ الطَّرْفِ عِينٌ ٤٨
またかれらの側には,伏し目がちな大きい目(の乙女)がいる。 (四十八)
كَأَنَّهُنَّ بَيْضٌ مَكْنُونٌ ٤٩
かの女らは,注意深く守られている卵のよう。 (四十九)
فَأَقْبَلَ بَعْضُهُمْ عَلَىٰ بَعْضٍ يَتَسَاءَلُونَ ٥٠
やがてかれらは,栗いに近づき尋ね合う。 (五十)
قَالَ قَائِلٌ مِنْهُمْ إِنِّي كَانَ لِي قَرِينٌ ٥١
かれらの一人が,口を切って言う。「わたしに一人の親しい友がいました。 (五十一)
يَقُولُ أَإِنَّكَ لَمِنَ الْمُصَدِّقِينَ ٥٢
かれは言っていた。『あなたまで(復活の日を)信じているのですか。 (五十二)
أَإِذَا مِتْنَا وَكُنَّا تُرَابًا وَعِظَامًا أَإِنَّا لَمَدِينُونَ ٥٣
わたしたちが死んで土と骨になってから,本当に審判されるのでしょうか。』」 (五十三)
قَالَ هَلْ أَنْتُمْ مُطَّلِعُونَ ٥٤
また言った。「まあ皆さん見下ろして・なさい。」 (五十四)
فَاطَّلَعَ فَرَآهُ فِي سَوَاءِ الْجَحِيمِ ٥٥
そこでかれが見下ろすと,火獄の只中にかれの姿が見えた。 (五十五)
قَالَ تَاللَّهِ إِنْ كِدْتَ لَتُرْدِينِ ٥٦
かれは言った。「アッラーにかけて,あなたはもう少しでわたしを破滅させるところでした。 (五十六)
وَلَوْلَا نِعْمَةُ رَبِّي لَكُنْتُ مِنَ الْمُحْضَرِينَ ٥٧
もし主の御恵・がなかったならば,わたしは必ず引き立てられる者の中にいたでしょう。」 (五十七)
أَفَمَا نَحْنُ بِمَيِّتِينَ ٥٨
「わたしたち(楽園の仲間)は,最初の死だけでまた, (五十八)
إِلَّا مَوْتَتَنَا الْأُولَىٰ وَمَا نَحْنُ بِمُعَذَّبِينَ ٥٩
死ぬことはないのですか。また,わたしたちが,懲罰を受けることはないのでしょうか。」 (五十九)
إِنَّ هَٰذَا لَهُوَ الْفَوْزُ الْعَظِيمُ ٦٠
「そうであるならこれは,至上の幸福の成就です。 (六十)
لِمِثْلِ هَٰذَا فَلْيَعْمَلِ الْعَامِلُونَ ٦١
このようなことのために,行動し努力すべきです。」 (六十一)
أَذَٰلِكَ خَيْرٌ نُزُلًا أَمْ شَجَرَةُ الزَّقُّومِ ٦٢
それは結構な歓待ではないか。それともザックームの木(をとるの)か。 (六十二)
إِنَّا جَعَلْنَاهَا فِتْنَةً لِلظَّالِمِينَ ٦٣
われはこの木を不義を行う者への試・として,用意したのである。 (六十三)
إِنَّهَا شَجَرَةٌ تَخْرُجُ فِي أَصْلِ الْجَحِيمِ ٦٤
それは地獄の底に生える木で, (六十四)
طَلْعُهَا كَأَنَّهُ رُءُوسُ الشَّيَاطِينِ ٦٥
その実は,悪魔の頭のようである。 (六十五)
فَإِنَّهُمْ لَآكِلُونَ مِنْهَا فَمَالِئُونَ مِنْهَا الْبُطُونَ ٦٦
かれらはこれを食べて,腹はそれでいっばい。 (六十六)
ثُمَّ إِنَّ لَهُمْ عَلَيْهَا لَشَوْبًا مِنْ حَمِيمٍ ٦٧
それから上に沸騰する湯を注ぎ足され, (六十七)
ثُمَّ إِنَّ مَرْجِعَهُمْ لَإِلَى الْجَحِيمِ ٦٨
それから火獄に帰り着くのである。 (六十八)
إِنَّهُمْ أَلْفَوْا آبَاءَهُمْ ضَالِّينَ ٦٩
かれらは祖先の迷っていたのを認めながらも, (六十九)
فَهُمْ عَلَىٰ آثَارِهِمْ يُهْرَعُونَ ٧٠
その足跡を急いで(歩いて)いたのである。 (七十)
وَلَقَدْ ضَلَّ قَبْلَهُمْ أَكْثَرُ الْأَوَّلِينَ ٧١
昔の多くの祖先たちも,確かに迷っていた。 (七十一)
وَلَقَدْ أَرْسَلْنَا فِيهِمْ مُنْذِرِينَ ٧٢
だがわれはかれらに,必ず警告者を遺わした。 (七十二)
فَانْظُرْ كَيْفَ كَانَ عَاقِبَةُ الْمُنْذَرِينَ ٧٣
見るがいい。警告されても無視した者の最後が,どうであったかを。 (七十三)
إِلَّا عِبَادَ اللَّهِ الْمُخْلَصِينَ ٧٤
(だが)アッラーの忠誠なしもべたちは,別である。 (七十四)
وَلَقَدْ نَادَانَا نُوحٌ فَلَنِعْمَ الْمُجِيبُونَ ٧٥
且つてヌーフはわれに哀願した。われは最も優れた応答者である。 (七十五)
وَنَجَّيْنَاهُ وَأَهْلَهُ مِنَ الْكَرْبِ الْعَظِيمِ ٧٦
われは,かれとその家族を大難から救った。 (七十六)
وَجَعَلْنَا ذُرِّيَّتَهُ هُمُ الْبَاقِينَ ٧٧
そしてかれの子孫を生き残らせた。 (七十七)
وَتَرَكْنَا عَلَيْهِ فِي الْآخِرِينَ ٧٨
また後の幾世代に渡り,かれのために(祝福の言葉を)留めた。 (七十八)
سَلَامٌ عَلَىٰ نُوحٍ فِي الْعَالَمِينَ ٧٩
「万物(人間,天使,ジン)の中で特にヌーフの上に平安あれ。」と(われからの有難い御言葉を)。 (七十九)
إِنَّا كَذَٰلِكَ نَجْزِي الْمُحْسِنِينَ ٨٠
われはこのように,正しい行いの者に報いる。 (八十)
إِنَّهُ مِنْ عِبَادِنَا الْمُؤْمِنِينَ ٨١
本当にかれは,信心深いわがしもべであった。 (八十一)
ثُمَّ أَغْرَقْنَا الْآخَرِينَ ٨٢
それからわれはその外の者を,溺れさせた。 (八十二)
وَإِنَّ مِنْ شِيعَتِهِ لَإِبْرَاهِيمَ ٨٣
またかれの後継者の中にはイブラーヒームがいた。 (八十三)
إِذْ جَاءَ رَبَّهُ بِقَلْبٍ سَلِيمٍ ٨٤
かれが純正な心をもってかれの主の許にやって来た折に, (八十四)
إِذْ قَالَ لِأَبِيهِ وَقَوْمِهِ مَاذَا تَعْبُدُونَ ٨٥
自分の父やその一族に向かって言った。「あなたがたの崇拝するものは何ですか。 (八十五)
أَئِفْكًا آلِهَةً دُونَ اللَّهِ تُرِيدُونَ ٨٦
アッラーを差し置いて瞞しの神々を御望・なのですか。 (八十六)
فَمَا ظَنُّكُمْ بِرَبِّ الْعَالَمِينَ ٨٧
いったい,万有の主に就いて,あなたがたはどのように考えておいでなのですか。」 (八十七)
فَنَظَرَ نَظْرَةً فِي النُّجُومِ ٨٨
その時かれは諸星を一目見て, (八十八)
فَقَالَ إِنِّي سَقِيمٌ ٨٩
言った。「わたしは,本当に(心が)痛む。」 (八十九)
فَتَوَلَّوْا عَنْهُ مُدْبِرِينَ ٩٠
人々はかれに背を向けて去った。 (九十)
فَرَاغَ إِلَىٰ آلِهَتِهِمْ فَقَالَ أَلَا تَأْكُلُونَ ٩١
その時かれ(イブラーヒーム)は,かれらの神々に向かって言った。「あなたがたは食べないのですか。 (九十一)
مَا لَكُمْ لَا تَنْطِقُونَ ٩٢
あなたがたは,どうしてものを言わないのですか。」 (九十二)
فَرَاغَ عَلَيْهِمْ ضَرْبًا بِالْيَمِينِ ٩٣
そこでかれは,かれら(偶像)を右手で打った。 (九十三)
فَأَقْبَلُوا إِلَيْهِ يَزِفُّونَ ٩٤
その時人びとは,慌ててかれの処へやって来た。 (九十四)
قَالَ أَتَعْبُدُونَ مَا تَنْحِتُونَ ٩٥
するとかれは言った。「あなたがたは,(自分で)刻んだものを崇拝するのですか。 (九十五)
وَاللَّهُ خَلَقَكُمْ وَمَا تَعْمَلُونَ ٩٦
本当にアッラーは,あなたがたを創り,またあなたがたが,造るものをも(創られる)。」 (九十六)
قَالُوا ابْنُوا لَهُ بُنْيَانًا فَأَلْقُوهُ فِي الْجَحِيمِ ٩٧
人びとは言った。「かれ(イブラーヒーム)のために炉を築き,燃え盛る火の中に投げ込・なさい。」 (九十七)
فَأَرَادُوا بِهِ كَيْدًا فَجَعَلْنَاهُمُ الْأَسْفَلِينَ ٩٨
このようにかれに策謀を巡らせようとしたが,われはかれらを散々な目に会わせた。 (九十八)
وَقَالَ إِنِّي ذَاهِبٌ إِلَىٰ رَبِّي سَيَهْدِينِ ٩٩
かれは言った。「わたしは主の御許に行こう。必ずわたしを導かれるであろう。 (九十九)
رَبِّ هَبْ لِي مِنَ الصَّالِحِينَ ١٠٠
主よ,正しい人物になるような(息子)を,わたしに御授け下さい。」 (一百)
فَبَشَّرْنَاهُ بِغُلَامٍ حَلِيمٍ ١٠١
それでわれは,優しい思いやりのある男児を(授けるという)昔報を伝えた。 (一百〇一)
فَلَمَّا بَلَغَ مَعَهُ السَّعْيَ قَالَ يَا بُنَيَّ إِنِّي أَرَىٰ فِي الْمَنَامِ أَنِّي أَذْبَحُكَ فَانْظُرْ مَاذَا تَرَىٰ ۚ قَالَ يَا أَبَتِ افْعَلْ مَا تُؤْمَرُ ۖ سَتَجِدُنِي إِنْ شَاءَ اللَّهُ مِنَ الصَّابِرِينَ ١٠٢
(この子が)かれと共に働く年頃になった時,かれは言った。「息子よ,わたしはあなたを犠牲に捧げる夢を見ました。さあ,あなたはどう考えるのですか。」かれは(答えて)言った。「父よ,あなたが命じられたようにして下さい。もしアッラーが御望・ならば,わたしが耐え忍ぶことが御分りでしょう。」 (一百〇二)
فَلَمَّا أَسْلَمَا وَتَلَّهُ لِلْجَبِينِ ١٠٣
そこでかれら両人は(命令に)服して,かれ(子供)が額を(地に付け)うつ伏せになった時, (一百〇三)
وَنَادَيْنَاهُ أَنْ يَا إِبْرَاهِيمُ ١٠٤
われは告げた。「イブラーヒームよ。 (一百〇四)
قَدْ صَدَّقْتَ الرُّؤْيَا ۚ إِنَّا كَذَٰلِكَ نَجْزِي الْمُحْسِنِينَ ١٠٥
あなたは確かにあの夢を実践した。本当にわれは,このように正しい行いをする者に報いる。 (一百〇五)
إِنَّ هَٰذَا لَهُوَ الْبَلَاءُ الْمُبِينُ ١٠٦
これは明らかに試・であった。」 (一百〇六)
وَفَدَيْنَاهُ بِذِبْحٍ عَظِيمٍ ١٠٧
われは大きな犠牲でかれを贖い, (一百〇七)
وَتَرَكْنَا عَلَيْهِ فِي الْآخِرِينَ ١٠٨
末永くかれのために(この祝福を)留めた。 (一百〇八)
سَلَامٌ عَلَىٰ إِبْرَاهِيمَ ١٠٩
「イブラーヒームに平安あれ。」(と言って)。 (一百〇九)
كَذَٰلِكَ نَجْزِي الْمُحْسِنِينَ ١١٠
このようにわれは,正しい行いをする者に報いる。 (一百一十)
إِنَّهُ مِنْ عِبَادِنَا الْمُؤْمِنِينَ ١١١
本当にかれは,わが信心深いしもべであった。 (一百一十一)
وَبَشَّرْنَاهُ بِإِسْحَاقَ نَبِيًّا مِنَ الصَّالِحِينَ ١١٢
またわれは正しい人物,預言者イスハークの(誕生の)吉報をかれに伝えた。 (一百一十二)
وَبَارَكْنَا عَلَيْهِ وَعَلَىٰ إِسْحَاقَ ۚ وَمِنْ ذُرِّيَّتِهِمَا مُحْسِنٌ وَظَالِمٌ لِنَفْسِهِ مُبِينٌ ١١٣
そしてわれは,かれとイスハークを祝福した。だがかれらの子孫の中には正しい行いをする者もあり,また明らかに自らを損なう者もあった。 (一百一十三)
وَلَقَدْ مَنَنَّا عَلَىٰ مُوسَىٰ وَهَارُونَ ١١٤
われは,ムーサーとハールーンに恩恵を施した。 (一百一十四)
وَنَجَّيْنَاهُمَا وَقَوْمَهُمَا مِنَ الْكَرْبِ الْعَظِيمِ ١١٥
またかれら両人,そしてその民を大きな災難から救い出し, (一百一十五)
وَنَصَرْنَاهُمْ فَكَانُوا هُمُ الْغَالِبِينَ ١١٦
われが助けたためにかれらは(その困難を)克服することが出来た。 (一百一十六)
وَآتَيْنَاهُمَا الْكِتَابَ الْمُسْتَبِينَ ١١٧
なおわれは,両人に(事理を)明瞭にさせる啓典を授け, (一百一十七)
وَهَدَيْنَاهُمَا الصِّرَاطَ الْمُسْتَقِيمَ ١١٨
かれらを正しい道に導いた。 (一百一十八)
وَتَرَكْنَا عَلَيْهِمَا فِي الْآخِرِينَ ١١٩
われは後の幾世代に渡り,かれらのために(この祝福を)留めた。 (一百一十九)
سَلَامٌ عَلَىٰ مُوسَىٰ وَهَارُونَ ١٢٠
「ムーサーとハールーンに平安あれ。」(と言って)。 (一百二十)
إِنَّا كَذَٰلِكَ نَجْزِي الْمُحْسِنِينَ ١٢١
このようにわれは,正しい行いをする者に報いる。 (一百二十一)
إِنَّهُمَا مِنْ عِبَادِنَا الْمُؤْمِنِينَ ١٢٢
本当にかれら両人は信心深いわがしもべであった。 (一百二十二)
وَإِنَّ إِلْيَاسَ لَمِنَ الْمُرْسَلِينَ ١٢٣
本当にイルヤースも,使徒であった。 (一百二十三)
إِذْ قَالَ لِقَوْمِهِ أَلَا تَتَّقُونَ ١٢٤
かれがその民にこう言った時を思え。「あなたがたは主を畏れないのですか。 (一百二十四)
أَتَدْعُونَ بَعْلًا وَتَذَرُونَ أَحْسَنَ الْخَالِقِينَ ١٢٥
あなたがたはバアルに祈って,最高の創造主(アッラー)を見捨てるのですか。 (一百二十五)
اللَّهَ رَبَّكُمْ وَرَبَّ آبَائِكُمُ الْأَوَّلِينَ ١٢٦
アッラーこそあなたがたの主,昔の父祖たちの主ではないのですか。」 (一百二十六)
فَكَذَّبُوهُ فَإِنَّهُمْ لَمُحْضَرُونَ ١٢٧
だがかれらはかれ(イルヤース)を嘘付きであるとした。だから必ず(処罰に)臨むであろう。 (一百二十七)
إِلَّا عِبَادَ اللَّهِ الْمُخْلَصِينَ ١٢٨
(かれらの中)敬虔な,アッラーのしもべは別である。 (一百二十八)
وَتَرَكْنَا عَلَيْهِ فِي الْآخِرِينَ ١٢٩
われは後の幾世代に渡り,かれのために(この祝福を)留めた。 (一百二十九)
سَلَامٌ عَلَىٰ إِلْ يَاسِينَ ١٣٠
「イルヤースに平安あれ。」(と言って)。 (一百三十)
إِنَّا كَذَٰلِكَ نَجْزِي الْمُحْسِنِينَ ١٣١
このようにわれは,正しい行いをする者に報いる。 (一百三十一)
إِنَّهُ مِنْ عِبَادِنَا الْمُؤْمِنِينَ ١٣٢
本当にかれは信心深いわがしもべであった。 (一百三十二)
وَإِنَّ لُوطًا لَمِنَ الْمُرْسَلِينَ ١٣٣
ルートも(われが)遣わした者であった。 (一百三十三)
إِذْ نَجَّيْنَاهُ وَأَهْلَهُ أَجْمَعِينَ ١٣٤
見よ,われはかれとその家族の凡てを救った。 (一百三十四)
إِلَّا عَجُوزًا فِي الْغَابِرِينَ ١٣٥
後に残る者の中にいた,老婆の外は。 (一百三十五)
ثُمَّ دَمَّرْنَا الْآخَرِينَ ١٣٦
そうしてわれは,外の者を滅ぼしてしまった。 (一百三十六)
وَإِنَّكُمْ لَتَمُرُّونَ عَلَيْهِمْ مُصْبِحِينَ ١٣٧
あなたがたはかれらの(遺跡の)傍らを,昼 (一百三十七)
وَبِاللَّيْلِ ۗ أَفَلَا تَعْقِلُونَ ١٣٨
夜通っている。あなたがたはそれでも悟らないのか。 (一百三十八)
وَإِنَّ يُونُسَ لَمِنَ الْمُرْسَلِينَ ١٣٩
本当にユーヌスも,使徒であった。 (一百三十九)
إِذْ أَبَقَ إِلَى الْفُلْكِ الْمَشْحُونِ ١٤٠
かれが(荷を)満載した舟に(乗って)逃れた時, (一百四十)
فَسَاهَمَ فَكَانَ مِنَ الْمُدْحَضِينَ ١٤١
かれは籤を引いて,負けてしまった。 (一百四十一)
فَالْتَقَمَهُ الْحُوتُ وَهُوَ مُلِيمٌ ١٤٢
(そして海に投げ込まれると)大魚に丸呑・にされ,かれは自責の念にかられた。 (一百四十二)
فَلَوْلَا أَنَّهُ كَانَ مِنَ الْمُسَبِّحِينَ ١٤٣
かれが(梅悟して主を)讃えなかったならば, (一百四十三)
لَلَبِثَ فِي بَطْنِهِ إِلَىٰ يَوْمِ يُبْعَثُونَ ١٤٤
かれら(人びと)が(復活して)起こされる日まで,必ずかれは魚の腹の中に留まったであろう (一百四十四)
فَنَبَذْنَاهُ بِالْعَرَاءِ وَهُوَ سَقِيمٌ ١٤٥
だがわれは,荒れ果てた(蟹辺)にかれを打ち上げた。かれは病んでいた。 (一百四十五)
وَأَنْبَتْنَا عَلَيْهِ شَجَرَةً مِنْ يَقْطِينٍ ١٤٦
われはかれの上に,1本のヒサゴ木を繁らせ(影を作った)。 (一百四十六)
وَأَرْسَلْنَاهُ إِلَىٰ مِائَةِ أَلْفٍ أَوْ يَزِيدُونَ ١٤٧
そして10万人,またはそれ以上(の民)にかれを遣わした。 (一百四十七)
فَآمَنُوا فَمَتَّعْنَاهُمْ إِلَىٰ حِينٍ ١٤٨
かれらが信仰に入ったので,われはしばし現世の享楽を許した。 (一百四十八)
فَاسْتَفْتِهِمْ أَلِرَبِّكَ الْبَنَاتُ وَلَهُمُ الْبَنُونَ ١٤٩
さてかれらに問え。「あなたがたの主は娘を持ち,かれら(マッカの多神教徒)は息子を持つというのか。 (一百四十九)
أَمْ خَلَقْنَا الْمَلَائِكَةَ إِنَاثًا وَهُمْ شَاهِدُونَ ١٥٠
それともかれらは,われが天使たちを女に創ったと証言するのか。」 (一百五十)
أَلَا إِنَّهُمْ مِنْ إِفْكِهِمْ لَيَقُولُونَ ١٥١
見よ,かれらの言うことは作りごとである。 (一百五十一)
وَلَدَ اللَّهُ وَإِنَّهُمْ لَكَاذِبُونَ ١٥٢
アッラーが子を生まれるとは,かれらも嘘付きの徒である。 (一百五十二)
أَصْطَفَى الْبَنَاتِ عَلَى الْبَنِينَ ١٥٣
かれは息子よりも,娘を選ばれるとするのか。 (一百五十三)
مَا لَكُمْ كَيْفَ تَحْكُمُونَ ١٥٤
どうしたのか。あなたがたはどう判断するのか。 (一百五十四)
أَفَلَا تَذَكَّرُونَ ١٥٥
あなたがたはなお訓戒を受け入れないのか。 (一百五十五)
أَمْ لَكُمْ سُلْطَانٌ مُبِينٌ ١٥٦
それともあなたがたに明瞭な権能があるのか。 (一百五十六)
فَأْتُوا بِكِتَابِكُمْ إِنْ كُنْتُمْ صَادِقِينَ ١٥٧
あなたがたのいうことが真実ならば,あなたがたの啓典を出して・なさい。 (一百五十七)
وَجَعَلُوا بَيْنَهُ وَبَيْنَ الْجِنَّةِ نَسَبًا ۚ وَلَقَدْ عَلِمَتِ الْجِنَّةُ إِنَّهُمْ لَمُحْضَرُونَ ١٥٨
かれらは,かれとジンは親類であるといっている。だがジンは自分たちが(懲罰に)臨むことをよく知っている。 (一百五十八)
سُبْحَانَ اللَّهِ عَمَّا يَصِفُونَ ١٥٩
アッラーに讃えあれ。(かれは)かれらが配するものから(超絶なされる)。 (一百五十九)
إِلَّا عِبَادَ اللَّهِ الْمُخْلَصِينَ ١٦٠
だが謙虚に奉仕するアッラーのしもべたちは,別である。 (一百六十)
فَإِنَّكُمْ وَمَا تَعْبُدُونَ ١٦١
だがあなたがたにしても,あなたがたが崇拝するものでも, (一百六十一)
مَا أَنْتُمْ عَلَيْهِ بِفَاتِنِينَ ١٦٢
かれに反抗して(信者たちを)誘惑することが出来ようか。 (一百六十二)
إِلَّا مَنْ هُوَ صَالِ الْجَحِيمِ ١٦٣
燃え盛る火で,焼かれる者は別にして。 (一百六十三)
وَمَا مِنَّا إِلَّا لَهُ مَقَامٌ مَعْلُومٌ ١٦٤
(整列している者たちが言う。)「わたしたちは各々定めの部署を持っています。 (一百六十四)
وَإِنَّا لَنَحْنُ الصَّافُّونَ ١٦٥
わたしたちは(奉仕のため)整列して, (一百六十五)
وَإِنَّا لَنَحْنُ الْمُسَبِّحُونَ ١٦٦
慎んで(アッラーを)讃え唱念します。」 (一百六十六)
وَإِنْ كَانُوا لَيَقُولُونَ ١٦٧
また,かれらはいつも言っていた。 (一百六十七)
لَوْ أَنَّ عِنْدَنَا ذِكْرًا مِنَ الْأَوَّلِينَ ١٦٨
「もしわたしたちが,昔から訓戒を持っていたなら, (一百六十八)
لَكُنَّا عِبَادَ اللَّهِ الْمُخْلَصِينَ ١٦٩
わたしたちも,確かにアッラーの謙虚なしもべであったでしょう。」 (一百六十九)
فَكَفَرُوا بِهِ ۖ فَسَوْفَ يَعْلَمُونَ ١٧٠
ところが(実際にクルアーンが与えられれば)それを拒否する。だが間もなくかれらは知るであろう。 (一百七十)
وَلَقَدْ سَبَقَتْ كَلِمَتُنَا لِعِبَادِنَا الْمُرْسَلِينَ ١٧١
確かにわれの言葉は,わが遣わしたしもべたちに既に下されている。 (一百七十一)
إِنَّهُمْ لَهُمُ الْمَنْصُورُونَ ١٧٢
かれらは,必ず助けられよう。 (一百七十二)
وَإِنَّ جُنْدَنَا لَهُمُ الْغَالِبُونَ ١٧٣
本当にわれの軍勢は,必ず勝利を得るのである。 (一百七十三)
فَتَوَلَّ عَنْهُمْ حَتَّىٰ حِينٍ ١٧٤
あなた(ムハンマド)はかれらから暫くの間遠ざかって, (一百七十四)
وَأَبْصِرْهُمْ فَسَوْفَ يُبْصِرُونَ ١٧٥
かれらを監視しなさい。やがて,かれらは目覚めるであろう。 (一百七十五)
أَفَبِعَذَابِنَا يَسْتَعْجِلُونَ ١٧٦
だがかれらは,わが懲罰を急ぎ求めている。 (一百七十六)
فَإِذَا نَزَلَ بِسَاحَتِهِمْ فَسَاءَ صَبَاحُ الْمُنْذَرِينَ ١٧٧
だがそれが実際にかれらに下ると,それまで警告を受けているだけに寝覚めの悪い朝となろう。 (一百七十七)
وَتَوَلَّ عَنْهُمْ حَتَّىٰ حِينٍ ١٧٨
それであなたはかれらから暫くの間遠ざかって, (一百七十八)
وَأَبْصِرْ فَسَوْفَ يُبْصِرُونَ ١٧٩
かれらを監視しなさい。やがて,かれらも目覚めるであろう。 (一百七十九)
سُبْحَانَ رَبِّكَ رَبِّ الْعِزَّةِ عَمَّا يَصِفُونَ ١٨٠
あなたの主,威徳の主,かれらが配するものから(超絶なされる)主に讃えあれ。 (一百八十)
وَسَلَامٌ عَلَى الْمُرْسَلِينَ ١٨١
使徒たちに平安あれ。 (一百八十一)
وَالْحَمْدُ لِلَّهِ رَبِّ الْعَالَمِينَ ١٨٢
万有の主,アッラーに讃えあれ。 (一百八十二)