翻訳: スーラ サード (サード章) سُورَة ص
بِسْمِ اللَّهِ الرَّحْمَٰنِ الرَّحِيمِ
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。
ص ۚ وَالْقُرْآنِ ذِي الذِّكْرِ ١
サード。訓戒に満ちたクルアーンにかけて。 (一)
بَلِ الَّذِينَ كَفَرُوا فِي عِزَّةٍ وَشِقَاقٍ ٢
いや,信仰のない者たちは,高慢で反抗的である。 (二)
كَمْ أَهْلَكْنَا مِنْ قَبْلِهِمْ مِنْ قَرْنٍ فَنَادَوْا وَلَاتَ حِينَ مَنَاصٍ ٣
われはかれら以前に,どんなに多くの世代を滅ぼしたことであろう。かれらは,もはや逃れ得ない時となって(慈悲を)請う。 (三)
وَعَجِبُوا أَنْ جَاءَهُمْ مُنْذِرٌ مِنْهُمْ ۖ وَقَالَ الْكَافِرُونَ هَٰذَا سَاحِرٌ كَذَّابٌ ٤
またかれらは,自分たちの中から警告者が出たことに驚き,不信心者は言う。「これは魔術師です。嘘付きです。 (四)
أَجَعَلَ الْآلِهَةَ إِلَٰهًا وَاحِدًا ۖ إِنَّ هَٰذَا لَشَيْءٌ عُجَابٌ ٥
かれは多くの神々を,一つの神にしてしまうのですか。これは全く,驚きいったことです。」 (五)
وَانْطَلَقَ الْمَلَأُ مِنْهُمْ أَنِ امْشُوا وَاصْبِرُوا عَلَىٰ آلِهَتِكُمْ ۖ إِنَّ هَٰذَا لَشَيْءٌ يُرَادُ ٦
そして,かれらの長老たちは立ち去りながら(その場にいた仲間に言う。)「行きなさい。そしてあなたがたの神々を守り通しなさい。これは(一神教の教え)全くの企ら・です。 (六)
مَا سَمِعْنَا بِهَٰذَا فِي الْمِلَّةِ الْآخِرَةِ إِنْ هَٰذَا إِلَّا اخْتِلَاقٌ ٧
わたしたちはこれまでの教えで,こんなことを聞いたことがありません。これは作り話に過ぎません。 (七)
أَأُنْزِلَ عَلَيْهِ الذِّكْرُ مِنْ بَيْنِنَا ۚ بَلْ هُمْ فِي شَكٍّ مِنْ ذِكْرِي ۖ بَلْ لَمَّا يَذُوقُوا عَذَابِ ٨
わたしたちの間で,あんな男にだけ御告げが下ったと言うのですか。」いや,かれらはわれの訓戒に,疑いを抱いている。いや,かれらはまだわれの懲罰を味わったことがない。 (八)
أَمْ عِنْدَهُمْ خَزَائِنُ رَحْمَةِ رَبِّكَ الْعَزِيزِ الْوَهَّابِ ٩
それともかれらは,偉力ならびなく,恵・多いあなたの主の,慈悲の宝物を持っているのか。 (九)
أَمْ لَهُمْ مُلْكُ السَّمَاوَاتِ وَالْأَرْضِ وَمَا بَيْنَهُمَا ۖ فَلْيَرْتَقُوا فِي الْأَسْبَابِ ١٠
かれらは天地,そしてその間の万有の,大権をもっているのか。それならかれらに手だてをさせて,(天の玉座まで)登らせなさい。 (十)
جُنْدٌ مَا هُنَالِكَ مَهْزُومٌ مِنَ الْأَحْزَابِ ١١
しかしあれは,鳥合の衆で只敗走するばかり。 (十一)
كَذَّبَتْ قَبْلَهُمْ قَوْمُ نُوحٍ وَعَادٌ وَفِرْعَوْنُ ذُو الْأَوْتَادِ ١٢
かれら以前にも,ヌーフの民,アード(の民)および権勢を張り廻らしたフィルアウンも, (十二)
وَثَمُودُ وَقَوْمُ لُوطٍ وَأَصْحَابُ الْأَيْكَةِ ۚ أُولَٰئِكَ الْأَحْزَابُ ١٣
またサムード(の民)やルートの民,および森の民も使徒たちを徒党を組んで嘘付き呼ばわりした。 (十三)
إِنْ كُلٌّ إِلَّا كَذَّبَ الرُّسُلَ فَحَقَّ عِقَابِ ١٤
(これらは)皆使徒たちを嘘付き呼ばわりし,それでわれからの懲罰が確実に下った。 (十四)
وَمَا يَنْظُرُ هَٰؤُلَاءِ إِلَّا صَيْحَةً وَاحِدَةً مَا لَهَا مِنْ فَوَاقٍ ١٥
これらの者も,かの一声を待つだけである。それには一刻の猶予もない。 (十五)
وَقَالُوا رَبَّنَا عَجِّلْ لَنَا قِطَّنَا قَبْلَ يَوْمِ الْحِسَابِ ١٦
かれらは,「主よ,わたしたちの授かる分を清算の日以前に,急いで下さい。」と言う。 (十六)
اصْبِرْ عَلَىٰ مَا يَقُولُونَ وَاذْكُرْ عَبْدَنَا دَاوُودَ ذَا الْأَيْدِ ۖ إِنَّهُ أَوَّابٌ ١٧
あなたはかれらの言葉を耐え忍べ。そしてわがしもべである堅固の人ダーウードを思え。本当にかれは,(主の)命令に服して讃美しつつ常に(主の御許に)帰った。 (十七)
إِنَّا سَخَّرْنَا الْجِبَالَ مَعَهُ يُسَبِّحْنَ بِالْعَشِيِّ وَالْإِشْرَاقِ ١٨
われは山々を従わせ,かれと共に朝夕に讃美させ, (十八)
وَالطَّيْرَ مَحْشُورَةً ۖ كُلٌّ لَهُ أَوَّابٌ ١٩
また鳥類も,集って,凡てのものが主の命令に服して讃美しつつ常に(主の御許に)帰った。 (十九)
وَشَدَدْنَا مُلْكَهُ وَآتَيْنَاهُ الْحِكْمَةَ وَفَصْلَ الْخِطَابِ ٢٠
そこでわれはかれの王権を強化し,英知と断固たる決断力をかれに授けた。 (二十)
وَهَلْ أَتَاكَ نَبَأُ الْخَصْمِ إِذْ تَسَوَّرُوا الْمِحْرَابَ ٢١
あなたは論争者の物語を聞いたのか,人びとが私室の壁を乗り越えて, (二十一)
إِذْ دَخَلُوا عَلَىٰ دَاوُودَ فَفَزِعَ مِنْهُمْ ۖ قَالُوا لَا تَخَفْ ۖ خَصْمَانِ بَغَىٰ بَعْضُنَا عَلَىٰ بَعْضٍ فَاحْكُمْ بَيْنَنَا بِالْحَقِّ وَلَا تُشْطِطْ وَاهْدِنَا إِلَىٰ سَوَاءِ الصِّرَاطِ ٢٢
ダーウードのところに入って来たのでかれは驚いた。かれらは言った。「恐れることはありません。これが訴訟の当事者の双方です。一方が他方に不正を働きました。真理によってわたしたちの間を裁いて下さい。不公平がないように,わたしたちを公正な道に御導き下さい。」 (二十二)
إِنَّ هَٰذَا أَخِي لَهُ تِسْعٌ وَتِسْعُونَ نَعْجَةً وَلِيَ نَعْجَةٌ وَاحِدَةٌ فَقَالَ أَكْفِلْنِيهَا وَعَزَّنِي فِي الْخِطَابِ ٢٣
「これは,わたしの兄です。かれは99頭も雌羊を持っており,わたしは(只)1頭しか持っていませんでした。ところがかれは,それをも自分に任せなさいと言ったのです。そして言葉巧・にわたしを言い負かせてしまったのです。」 (二十三)
قَالَ لَقَدْ ظَلَمَكَ بِسُؤَالِ نَعْجَتِكَ إِلَىٰ نِعَاجِهِ ۖ وَإِنَّ كَثِيرًا مِنَ الْخُلَطَاءِ لَيَبْغِي بَعْضُهُمْ عَلَىٰ بَعْضٍ إِلَّا الَّذِينَ آمَنُوا وَعَمِلُوا الصَّالِحَاتِ وَقَلِيلٌ مَا هُمْ ۗ وَظَنَّ دَاوُودُ أَنَّمَا فَتَنَّاهُ فَاسْتَغْفَرَ رَبَّهُ وَخَرَّ رَاكِعًا وَأَنَابَ ۩ ٢٤
かれ(ダーウード)は,「かれがあなたの羊を,取り込もうとしたのは,確かに不当です。本当に共同で仕事をする者の多くは,栗いに侵しあう。信仰して善行に勤しむ者は別だが,それは稀です。」と言った。(その時)ダーウードは,われがかれを試・たことを喩り,主の御赦しを請い,礼拝にひれ伏し,悔悟して主の御許に帰った。〔サジダ〕 (二十四)
فَغَفَرْنَا لَهُ ذَٰلِكَ ۖ وَإِنَّ لَهُ عِنْدَنَا لَزُلْفَىٰ وَحُسْنَ مَآبٍ ٢٥
それでわれは,かれ(の過ち)を赦した。かれは(今)本当にわれに近づき,多幸な(悟り切った)帰り所にいる。 (二十五)
يَا دَاوُودُ إِنَّا جَعَلْنَاكَ خَلِيفَةً فِي الْأَرْضِ فَاحْكُمْ بَيْنَ النَّاسِ بِالْحَقِّ وَلَا تَتَّبِعِ الْهَوَىٰ فَيُضِلَّكَ عَنْ سَبِيلِ اللَّهِ ۚ إِنَّ الَّذِينَ يَضِلُّونَ عَنْ سَبِيلِ اللَّهِ لَهُمْ عَذَابٌ شَدِيدٌ بِمَا نَسُوا يَوْمَ الْحِسَابِ ٢٦
「ダーウードよ,われはあなたを地上の代理者にした。だから人びとを,真理によって裁き,私欲に従って,アッラーの道を踏・はずしてはならない。アッラーの道から迷う者は清算の日を忘れた者で,必ず厳しい懲罰にあう。」 (二十六)
وَمَا خَلَقْنَا السَّمَاءَ وَالْأَرْضَ وَمَا بَيْنَهُمَا بَاطِلًا ۚ ذَٰلِكَ ظَنُّ الَّذِينَ كَفَرُوا ۚ فَوَيْلٌ لِلَّذِينَ كَفَرُوا مِنَ النَّارِ ٢٧
われは天と地,そしてその間にあるものを,戯らに創らなかった。それは信仰のない者の億測である。だが(いずれ地獄の)火を味わう信仰のない者こそ哀れである。 (二十七)
أَمْ نَجْعَلُ الَّذِينَ آمَنُوا وَعَمِلُوا الصَّالِحَاتِ كَالْمُفْسِدِينَ فِي الْأَرْضِ أَمْ نَجْعَلُ الْمُتَّقِينَ كَالْفُجَّارِ ٢٨
われが信仰して善行に動しむ者と,地上で悪を行う者と同じに扱うことがあろうか。われが(悪魔に対し)身を守る者と,邪悪の者とを同じに扱うであろうか。 (二十八)
كِتَابٌ أَنْزَلْنَاهُ إِلَيْكَ مُبَارَكٌ لِيَدَّبَّرُوا آيَاتِهِ وَلِيَتَذَكَّرَ أُولُو الْأَلْبَابِ ٢٩
われがあなたに下した啓典は,祝福に満ち,その印を沈思黙考するためのものであり,また思慮ある者たちへの訓戒である。 (二十九)
وَوَهَبْنَا لِدَاوُودَ سُلَيْمَانَ ۚ نِعْمَ الْعَبْدُ ۖ إِنَّهُ أَوَّابٌ ٣٠
われはダーウードにスライマーンを授けた。何と優れたしもべではないか。かれは梅悟して常に(われに)帰った。 (三十)
إِذْ عُرِضَ عَلَيْهِ بِالْعَشِيِّ الصَّافِنَاتُ الْجِيَادُ ٣١
(ある日の)黄昏時,駿馬が,かれに献上された時のことを思い起しなさい。 (三十一)
فَقَالَ إِنِّي أَحْبَبْتُ حُبَّ الْخَيْرِ عَنْ ذِكْرِ رَبِّي حَتَّىٰ تَوَارَتْ بِالْحِجَابِ ٣٢
かれは言った。「本当にわたしは,(この世の)素晴しい物をめでて,夜の帳が降りるまで,主を念ずることを忘れてしまったのです。 (三十二)
رُدُّوهَا عَلَيَّ ۖ فَطَفِقَ مَسْحًا بِالسُّوقِ وَالْأَعْنَاقِ ٣٣
さあ,その馬を連れて参れ。そしてかれは,馬の足と首を切り落としてしまった。 (三十三)
وَلَقَدْ فَتَنَّا سُلَيْمَانَ وَأَلْقَيْنَا عَلَىٰ كُرْسِيِّهِ جَسَدًا ثُمَّ أَنَابَ ٣٤
またわれはスライマーンを試・,(病を与え)重態のかれを椅子に据えた。その後かれは回復し, (三十四)
قَالَ رَبِّ اغْفِرْ لِي وَهَبْ لِي مُلْكًا لَا يَنْبَغِي لِأَحَدٍ مِنْ بَعْدِي ۖ إِنَّكَ أَنْتَ الْوَهَّابُ ٣٥
言った。「主よ,わたしを御赦し下さい。そして後世の誰も持ち得ない程の王国をわたしに御与え下さい。本当にあなたは豊かに与えられる方です。」 (三十五)
فَسَخَّرْنَا لَهُ الرِّيحَ تَجْرِي بِأَمْرِهِ رُخَاءً حَيْثُ أَصَابَ ٣٦
そこでわれは,風をかれに従わせた。それはかれの思うままに,その命令によって望む所に静かに吹く。 (三十六)
وَالشَّيَاطِينَ كُلَّ بَنَّاءٍ وَغَوَّاصٍ ٣٧
またわれはシャイターンたちを,(かれに服従させた。その中には)大工があり潜水夫もあり, (三十七)
وَآخَرِينَ مُقَرَّنِينَ فِي الْأَصْفَادِ ٣٨
またその外に,スライマーンの命令に服さず鎖に繋がれた者もいた。 (三十八)
هَٰذَا عَطَاؤُنَا فَامْنُنْ أَوْ أَمْسِكْ بِغَيْرِ حِسَابٍ ٣٩
(主は仰せられた。)「これがわれの賜物である。あなたが与えようと,控えようと,問題はない。」 (三十九)
وَإِنَّ لَهُ عِنْدَنَا لَزُلْفَىٰ وَحُسْنَ مَآبٍ ٤٠
かれは(今)われの近くにいて,幸せな(悟りきった)帰り所にいる。 (四十)
وَاذْكُرْ عَبْدَنَا أَيُّوبَ إِذْ نَادَىٰ رَبَّهُ أَنِّي مَسَّنِيَ الشَّيْطَانُ بِنُصْبٍ وَعَذَابٍ ٤١
わがしもべ,アイユーブを思い起しなさい。かれが主に向かって,「シャイターンがわたしを悩ませ,苦し・抜いているのです。」と叫んだ時を思い起しなさい。 (四十一)
ارْكُضْ بِرِجْلِكَ ۖ هَٰذَا مُغْتَسَلٌ بَارِدٌ وَشَرَابٌ ٤٢
(すると命令が下った。)「あなたの足で(大地を)踏・なさい。そこには清涼な沫浴と飲料のための(水)があろう。」 (四十二)
وَوَهَبْنَا لَهُ أَهْلَهُ وَمِثْلَهُمْ مَعَهُمْ رَحْمَةً مِنَّا وَذِكْرَىٰ لِأُولِي الْأَلْبَابِ ٤٣
われは慈悲として,かれに(再び)家族を2倍にして授け,思慮ある者への教訓とした。 (四十三)
وَخُذْ بِيَدِكَ ضِغْثًا فَاضْرِبْ بِهِ وَلَا تَحْنَثْ ۗ إِنَّا وَجَدْنَاهُ صَابِرًا ۚ نِعْمَ الْعَبْدُ ۖ إِنَّهُ أَوَّابٌ ٤٤
(そして言った。)「一握りの草を手に取って,それで(妻を)打て。あなたの誓いを破ってはならない。」われは,かれが良く耐え忍ぶことを知った。何と優れたしもべではないか。かれは(主の命令に服して)常に(われの許に)帰った。 (四十四)
وَاذْكُرْ عِبَادَنَا إِبْرَاهِيمَ وَإِسْحَاقَ وَيَعْقُوبَ أُولِي الْأَيْدِي وَالْأَبْصَارِ ٤٥
またわがしもべの,イブラーヒームとイスハークとヤアコーブを思い起しなさい。かれらは偉力を持ち,洞察力があった。 (四十五)
إِنَّا أَخْلَصْنَاهُمْ بِخَالِصَةٍ ذِكْرَى الدَّارِ ٤٦
われは,かれらが(来世の)住まいを念じているという純粋な(資質)によって(免じて)かれらを清めてやった。 (四十六)
وَإِنَّهُمْ عِنْدَنَا لَمِنَ الْمُصْطَفَيْنَ الْأَخْيَارِ ٤٧
本当にかれらは,わが目にも選ばれ優れた者であった。 (四十七)
وَاذْكُرْ إِسْمَاعِيلَ وَالْيَسَعَ وَذَا الْكِفْلِ ۖ وَكُلٌّ مِنَ الْأَخْيَارِ ٤٨
またイスマーイールとアル・ヤサアとズ・ル・キフルを思い起せ。かれらは皆優れた者であった。 (四十八)
هَٰذَا ذِكْرٌ ۚ وَإِنَّ لِلْمُتَّقِينَ لَحُسْنَ مَآبٍ ٤٩
これは一つの教訓である。本当に主を長れる者のためには,幸せな帰り所がある。 (四十九)
جَنَّاتِ عَدْنٍ مُفَتَّحَةً لَهُمُ الْأَبْوَابُ ٥٠
(それは)永遠の楽園であり,その凡ての門はかれらのために開かれる。 (五十)
مُتَّكِئِينَ فِيهَا يَدْعُونَ فِيهَا بِفَاكِهَةٍ كَثِيرَةٍ وَشَرَابٍ ٥١
その中でかれらは(安楽に寝床に)寄りかかり,沢山の果実や飲・物が,望・放題である。 (五十一)
وَعِنْدَهُمْ قَاصِرَاتُ الطَّرْفِ أَتْرَابٌ ٥٢
また傍には,伏し目がちの同じ年頃の(乙女)が侍る。 (五十二)
هَٰذَا مَا تُوعَدُونَ لِيَوْمِ الْحِسَابِ ٥٣
これらは清算の日のために,あなたがたに約束されるものである。 (五十三)
إِنَّ هَٰذَا لَرِزْقُنَا مَا لَهُ مِنْ نَفَادٍ ٥٤
本当にこれは,尽きることのない(あなたがたへの)賜物である。 (五十四)
هَٰذَا ۚ وَإِنَّ لِلطَّاغِينَ لَشَرَّ مَآبٍ ٥٥
(主を畏れる者は)このようである。だが反逆の徒には,悪い帰り所があろう。 (五十五)
جَهَنَّمَ يَصْلَوْنَهَا فَبِئْسَ الْمِهَادُ ٥٦
それは地獄である。かれらはそこで焼かれよう。何と悪い臥所であろうか。 (五十六)
هَٰذَا فَلْيَذُوقُوهُ حَمِيمٌ وَغَسَّاقٌ ٥٧
(実に)これは,こういうことだがかれらは煮え立つ湯と膿を味わされ, (五十七)
وَآخَرُ مِنْ شَكْلِهِ أَزْوَاجٌ ٥٨
その外,これに類する(懲罰)をとり合わせて受けることになる。 (五十八)
هَٰذَا فَوْجٌ مُقْتَحِمٌ مَعَكُمْ ۖ لَا مَرْحَبًا بِهِمْ ۚ إِنَّهُمْ صَالُو النَّارِ ٥٩
これはあなたがたと一緒に,むや・に突き進む一群である。かれらには歓迎の言葉もない。火獄で焼かれるだけである。 (五十九)
قَالُوا بَلْ أَنْتُمْ لَا مَرْحَبًا بِكُمْ ۖ أَنْتُمْ قَدَّمْتُمُوهُ لَنَا ۖ فَبِئْسَ الْقَرَارُ ٦٠
かれらは(火獄の仲間はかれらの指導者たちに)言う。「いや,歓迎されないのは,あなたがたです。わたしたちのために,こう仕向けたのはあなたがたです。何と悪い住まいに来たものでしょう。」 (六十)
قَالُوا رَبَّنَا مَنْ قَدَّمَ لَنَا هَٰذَا فَزِدْهُ عَذَابًا ضِعْفًا فِي النَّارِ ٦١
するとかれらは言う。「主よ,わたしたちをここに連れて来た者には,火獄で倍の懲罰を御加え下さい。」 (六十一)
وَقَالُوا مَا لَنَا لَا نَرَىٰ رِجَالًا كُنَّا نَعُدُّهُمْ مِنَ الْأَشْرَارِ ٦٢
かれら(火獄の仲間)は言う。「わたしたちが悪人の中に数えていた人びとが見えないのです。どうしたのでしょう。 (六十二)
أَتَّخَذْنَاهُمْ سِخْرِيًّا أَمْ زَاغَتْ عَنْهُمُ الْأَبْصَارُ ٦٣
わたしたちが嘲笑していた者(が見えない)。かれらは,(わたしたちの)目をくらませたのではないでしょうか。」 (六十三)
إِنَّ ذَٰلِكَ لَحَقٌّ تَخَاصُمُ أَهْلِ النَّارِ ٦٤
本当にこれは真相で,火獄の仲間の論争である。 (六十四)
قُلْ إِنَّمَا أَنَا مُنْذِرٌ ۖ وَمَا مِنْ إِلَٰهٍ إِلَّا اللَّهُ الْوَاحِدُ الْقَهَّارُ ٦٥
言ってやるがいい。「わたしは警告者に過ぎない。唯一の方,抵抗出来ない方,アッラーの外には神はないのである。 (六十五)
رَبُّ السَّمَاوَاتِ وَالْأَرْضِ وَمَا بَيْنَهُمَا الْعَزِيزُ الْغَفَّارُ ٦٦
天と地,そしてその間の万有の主,偉力ならびなく寛容であられる。」 (六十六)
قُلْ هُوَ نَبَأٌ عَظِيمٌ ٦٧
言ってやるがいい。「これは至高の知らせである。 (六十七)
أَنْتُمْ عَنْهُ مُعْرِضُونَ ٦٨
あなたがたは,それから背き去るが。 (六十八)
مَا كَانَ لِيَ مِنْ عِلْمٍ بِالْمَلَإِ الْأَعْلَىٰ إِذْ يَخْتَصِمُونَ ٦٩
且つて(天使の)高い位階の者たちの論議については,わたしは何の知識もなかった。 (六十九)
إِنْ يُوحَىٰ إِلَيَّ إِلَّا أَنَّمَا أَنَا نَذِيرٌ مُبِينٌ ٧٠
これがわたしに啓示されたのは,只わたしが公明に警告するためである。」 (七十)
إِذْ قَالَ رَبُّكَ لِلْمَلَائِكَةِ إِنِّي خَالِقٌ بَشَرًا مِنْ طِينٍ ٧١
あなたの主が,天使たちに,「われは泥から人間を創ろうとしている。」と仰せられた時を思え。 (七十一)
فَإِذَا سَوَّيْتُهُ وَنَفَخْتُ فِيهِ مِنْ رُوحِي فَقَعُوا لَهُ سَاجِدِينَ ٧٢
「それでわれが,かれ(人間)を形作り,それに霊を吹き込んだならば,あなたがたは伏してかれにサジダしなさい。」 (七十二)
فَسَجَدَ الْمَلَائِكَةُ كُلُّهُمْ أَجْمَعُونَ ٧٣
そこで天使たちは,皆一斉にサジダしたが, (七十三)
إِلَّا إِبْلِيسَ اسْتَكْبَرَ وَكَانَ مِنَ الْكَافِرِينَ ٧٤
イブリースだけはそうしなかった。かれは高慢で,信仰を拒む者となった。 (七十四)
قَالَ يَا إِبْلِيسُ مَا مَنَعَكَ أَنْ تَسْجُدَ لِمَا خَلَقْتُ بِيَدَيَّ ۖ أَسْتَكْبَرْتَ أَمْ كُنْتَ مِنَ الْعَالِينَ ٧٥
かれは仰せられた。「イブリースよ,われの手ずから創ったものにサジダするのに,何があなたを妨げたのか。あなたは高慢なのか,それとも高い(偉力ある)者なのか。」 (七十五)
قَالَ أَنَا خَيْرٌ مِنْهُ ۖ خَلَقْتَنِي مِنْ نَارٍ وَخَلَقْتَهُ مِنْ طِينٍ ٧٦
かれは申し上げた。「わたしはかれ(人間)よりも優れています,あなたは火でわたしを御創りになりましたが,かれは泥で創られただけです。」 (七十六)
قَالَ فَاخْرُجْ مِنْهَا فَإِنَّكَ رَجِيمٌ ٧٧
かれは仰せられた。「それならあなたは,ここから出て行きなさい,本当に忌まわしいから。 (七十七)
وَإِنَّ عَلَيْكَ لَعْنَتِي إِلَىٰ يَوْمِ الدِّينِ ٧٨
そしてわれからの見限りは,審判の日まで必ずあなたの上にあろう。」 (七十八)
قَالَ رَبِّ فَأَنْظِرْنِي إِلَىٰ يَوْمِ يُبْعَثُونَ ٧٩
かれは申しあげた。「主よ,かれらが呼び起こされる日まで,猶予を願います。」 (七十九)
قَالَ فَإِنَّكَ مِنَ الْمُنْظَرِينَ ٨٠
かれは仰せられた。「あなたを猶予しよう。 (八十)
إِلَىٰ يَوْمِ الْوَقْتِ الْمَعْلُومِ ٨١
定められた日時まで。」 (八十一)
قَالَ فَبِعِزَّتِكَ لَأُغْوِيَنَّهُمْ أَجْمَعِينَ ٨٢
かれは申し上げた。「それでは,あなたの御威光にかけて誓います。わたしはかれら(人間)凡ての者を誘惑します。 (八十二)
إِلَّا عِبَادَكَ مِنْهُمُ الْمُخْلَصِينَ ٨٣
かれらの中の,あなたの謙虚なしもべを除いては。」 (八十三)
قَالَ فَالْحَقُّ وَالْحَقَّ أَقُولُ ٨٤
かれは仰せられた。「それは真実である。われからも真実を言う。 (八十四)
لَأَمْلَأَنَّ جَهَنَّمَ مِنْكَ وَمِمَّنْ تَبِعَكَ مِنْهُمْ أَجْمَعِينَ ٨٥
われは,あなたとあなたに従う凡ての者で,地獄を満たすであろう。」 (八十五)
قُلْ مَا أَسْأَلُكُمْ عَلَيْهِ مِنْ أَجْرٍ وَمَا أَنَا مِنَ الْمُتَكَلِّفِينَ ٨٦
言え,「わたしはこの(クルアーン) に対し何の報酬もあなたがたに求めない。またわたしは偽善者ではない。 (八十六)
إِنْ هُوَ إِلَّا ذِكْرٌ لِلْعَالَمِينَ ٨٧
これは諸民族に対する訓戒に外ならない。 (八十七)
وَلَتَعْلَمُنَّ نَبَأَهُ بَعْدَ حِينٍ ٨٨
時が来たら,あなたがたはそれが其実であることを必ず知るであろう。」 (八十八)